著作権重要判例要旨[トップに戻る]







既存の著作物への依拠性(8)
「一般人向け法律解説書‘図解でわかる’侵害事件」平成170517日東京地方裁判所(平成15()12551/平成180315日知的財産高等裁判所(平成17()10095等) 

【原審】

 
依拠性について
 
既存の著作物の表現内容を認識し,それを自己の作品に利用する意思を有しながら,既存の著作物と同一性のある作品を作成した場合は,既存の著作物に依拠したものとして複製権侵害が成立するというべきであり,この理は,翻案権侵害についても同様である
 
そして,被告各文献は,いずれも原告各文献が出版された後に出版されているが,特に,被告文献1は,原告文献1の出版から約4か月後,被告文献3は,原告文献3の出版から約6か月後という極めて近接した日にそれぞれ出版され,また,原告文献21は相当数販売されたものであって,被告a及び被告bはこれに接する機会があったこと,現に被告bは,原告各文献を知っていたこと,被告各文献は,それぞれ対応する原告各文献と,基本的な概念及び構成,章立ての順序,各章の内容,さらに記載されている内容も類似している箇所が多いこと,後記認定のとおり,被告各文献の中には,そこに記述されている順序及び構成で表現される必然性のない文章等について,原告各文献の各対応部分とほぼ同一の表現がされている部分があること,以上の事実を総合すれば,被告文献1は原告文献1に,被告文献2は原告文献21及び22に,被告文献3は原告文献3に,それぞれ依拠して執筆されたことは明らかである。…

【控訴審】

 当裁判所も,被控訴人文献1は控訴人文献1に,被控訴人文献2は控訴人文献21及び22に,被控訴人文献3は控訴人文献3に,それぞれ依拠して執筆されたと認められるものと判断する。…
 
被控訴人らは,控訴人各文献と被控訴人各文献の読者層,著作の目的等がほとんど同一であるために,基本的な構成等が類似しているものにすぎないと主張する。
 しかし,両文献を子細に比較すると,単に読者層や著作の目的・性格が同一であるというだけでは説明し難いほどに構成,文章等が酷似しており,執筆者が異なれば通常は多少の相違が生じるのが自然であると思われる部分についても共通していることが認められる。その詳細は,以下のとおりである。
 
(略)
 
以上によれば,控訴人各文献と被控訴人各文献との類似は,類似点の多さや類似の内容・程度に照らして,両文献が読者層,著作の目的・性格を同一にするというだけでは説明することができないものであり,被控訴人らの前記主張は,採用することができない。











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