著作権重要判例要旨[トップに戻る]







書籍監修者の不法行為責任
「一般人向け法律解説書‘図解でわかる’侵害事件」
平成170517日東京地方裁判所(平成15()12551 

 一般に,監修とは,書籍の著述や編集を監督することといわれるが(広辞苑第5版),監修者としての関与の程度には,出版物の権威付けのために名義のみを貸すにすぎないものあるいは単に表現上の軽微な事項や内容的に不適切な点を指摘するものから,監修者自ら内容を検討し,相当部分について加筆補正するなど,監修者が著作物の実質的な内容変更を行うものまでさまざまな形態が考えられる。後者の場合のように,本来の著作者とともに共同著作者と評価され得る程度に関与している場合は,監修者も著作者とともに著作権侵害について共同不法行為による損害賠償責任を負う場合があるというべきであるが,監修者としての関与の程度が出版物の権威付けのために名義のみを貸すにすぎない場合又は単に表現上の軽微な事項や内容的に不適切な点を指摘するにすぎない場合は,特段の事情がない限り,共同不法行為責任を負わないというべきである。
 
そして,上記認定のとおり,被告cは,被告各文献すべてについて監修したものの,監修者としての関与の程度は,校正済みのゲラ刷り原稿を23日かけて点検したにすぎず,何らの加筆訂正も行っていないこと,監修料として受領した金額は1冊当たり5万円程度にすぎず,被告各文献の内容及び分量を考慮すると名義料程度の金額と認められること,以上の事実によれば,被告cについて,被告各文献が原告各文献に係る原告の著作権及び著作者人格権を侵害しているか否かについて注意を払うべき義務を認めるに足りない。よって,同被告に本件著作権及び著作者人格権侵害につき,被告会社との共同不法行為責任を認めるべき事情はないというべきである。したがって,この点に関する原告の主張は理由がない。











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