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コンペの法的性格
「フランステレコム移転事務所設計図コンペ事件」
平成150226日東京地方裁判所(平成13()20223 

【コメント】本件は、原告が、被告フランステレコムとの事務所の設計及び施工の受注を競うコンペティション(「本件コンペ」)において、「原告設計図」を作成したところ、被告フランステレコム及び同社の社員である被告Yが、本件コンペに参加した被告明豊に対して原告設計図を原告に無断で開示して同被告に原告設計図を複製させたなどと主張して、被告フランステレコムに対する債務不履行に基づく損害賠償請求等を求めた事案です。 

 発注義務違反について
 
原告は,原告が本件コンペに参加するに際し,被告フランステレコムと原告との間では,「原告が選考されることを条件として,被告フランステレコムが本件事務所の設計・施工を原告に発注する」旨の停止条件付請負契約がされたことを前提に,同被告に契約不履行があった旨主張する。
 
しかし,以下のとおり,被告フランステレコムと原告との間において,原告の主張に係る上記の合意が成立したとはいえない。
 
すなわち,…によれば,被告フランステレコムが,本件コンペに際し,原告,被告明豊及びインターアームに配布した本件書面には,本件事務所の設計条件,評価者,評価項目,スケジュール等が記載されていたものの,請負金額についての条件は定められていなかったこと,本件コンペの最終指名者の決定は,被告フランステレコム及びエトラリの代表者らから構成される評価委員会にゆだねられていたこと,被告フランステレコムが,原告に対して本件書面を示して本件コンペへ参加を勧誘した時点においては,設計図の具体的内容はもちろんのこと,見積金額も決まっていなかったことが認められる。
 
上記の認定事実によれば,本件コンペは,施主である被告フランステレコムが,本件事務所の設計及び施工の受注を希望する複数の業者に設計書及び見積金額を明示した申込みを行わせた上で,施主側の評価が高い者がいた場合は,その者と契約交渉を行うという趣旨で実施されたものであり,被告フランステレコムの原告に対する勧誘行為は,いわゆる申込みの誘引にすぎないと解するのが相当である。したがって,設計・施工の具体的内容が不確定な段階での勧誘行為が,「原告が選考されることを条件として,被告フランステレコムが本件事務所の設計・施工を原告に発注する」旨の条件付請負契約の申込みに当たるということはできず,同被告と原告との間で本件事務所の設計・施工の発注に関し何らかの法的拘束力のある合意が成立していたとは認められない。
 
以上のとおり,原告のこの点の主張は,その前提において失当である。











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