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利用許諾契約の解釈(10)-ロイヤリティーの算定基準が問題となった事例A-
「ソフトウェア『Set' Graph Dares』ライセンス契約事件」平成160929日東京地方裁判所(平成14()23838等) 

【コメント】本件においては、ロイヤリティーの算定基準となる「使用権の対価」が対象製品の「定価」なのか、それとも「実売価格」なのかが争われました。

 
なお、「本件ライセンス契約」には、ロイヤルティーの算定方法について、次の条項がありました:
 
「第6条 ロイヤルティの算定方法
 
6.1 『応用ソフトウェア製品』の使用権ロイヤルティをTimeCube使用権の対価の10%とする。」 


 TimeCube使用権の対価」は定価か実売価格かについて
 
前記認定の事実に基づき,本件ライセンス契約におけるロイヤルティ算定の基礎とすべき「TimeCube使用権の対価」の意義について判断する。
 
当裁判所は,本件ライセンス契約の「TimeCube使用権の対価」はTimeCubeの定価を意味するものと解釈する
 本件ライセンス契約の「TimeCube使用権の対価」について,TimeCubeの定価を意味すると解した理由は,以下のとおりである。すなわち,
 
前記認定のとおり,原告と被告は,平成125月ころから本件ライセンス契約の締結に向けた交渉を行ったこと,交渉において,ロイヤルティの算定方法が旧ライセンス契約と変更され,それまでは販売した製品数に定額を乗じてロイヤルティを算定していたものが,TimeCubeの製品価格に一定の料率を乗じてロイヤルティを算定することになったが,協議の過程で被告は原告に対し,TimeCube定価表を示していること,原告は被告に対し,平成121218日,同年71日以降に被告がTimeCubeを販売した3社について,使用権ロイヤルティを請求したこと,その際,TimeCubeの価格が分からなかったり,割引販売されたりしていたが,TimeCube定価表により算定したロイヤルティを請求し,被告は請求どおりに支払ったこと等の事実経緯に照らすならば,原告と被告は,被告が示したTimeCube定価表に基づきロイヤルティの算定方法を協議し,同定価表を前提として本件ライセンス契約におけるロイヤルティの算定方法及び料率を定めた(6条)と解するのが合理的である。
 
また,本件ライセンス契約が締結された平成131月の後に,被告は三菱事務機械及び凸版印刷について,割引販売をしたが,被告は原告に対して,当初,割引後の実売価格でロイヤルティを算定することを要請したが,原告がこれに応じなかったことから,ロイヤルティの減額の要請を撤回し,TimeCube定価表どおりのロイヤルティを支払っている。
 
(略)
 
以上の各事実に照らすならば,本件ライセンス契約にいう「TimeCube使用権の対価」とは,TimeCube定価表の価格を意味するものと解釈するのが相当である。











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