著作権重要判例要旨[トップに戻る]







低解像度の画像データの作成行為は「複製」に当たるか
著作権フリー写真集CD-ROM覚書事件平成170329日大阪地方裁判所(平成14()4484 

 職業写真家が撮影したポジ写真を,CD-ROMに収録するためにA3サイズに拡大印刷しても明瞭さが維持できる程度の高解像度(約350dpi/120mm×95mm)のデジタル画像データにする行為は,ポジ写真をその内容において実質的同一性を維持したままデジタル画像データにする行為であるから,ポジ写真の複製行為ということができる
 
したがって,被告イシイが本件CD-ROMを原告の許諾を得ることなく制作販売すれば,原告の写真の著作権(複製権)の侵害行為となる。
 
また,当初の写真と比較して,撮影の構図,撮影対象の配置等を変えずに,また,カンプやプレゼンテーションのためであれば特段使用に支障が生じない程度の低解像度(約72dpi/120mm×95mm)の本件ウェブ用画像データを作成して本件ウェブサイトに掲載する行為は,外面的に表現形式が変化するものではなく,また,表現についての本質的な部分を変更するものではないから,やはりポジ写真と実質的に同一の別のデジタル画像データを作成する行為というべきであり,ポジ写真の複製行為ということができる
 
したがって,被告イシイのホームページ(本件ウェブサイト)等を管理している被告アイピーネットが,原告の許諾なく本件ウェブ用画像を作成する行為も,原告の写真の著作権(複製権)を侵害するものである。
 
なお,本件ウェブ用画像データがポジ写真と実質的な同一性を維持している以上,上記行為が同一性保持権侵害行為となることはない
 
(略)
 
また,原告は,本件ウェブ用画像が粗い粒子の画像データであることをもって,その基となった写真を同画像へ改変する行為が原告の同一性保持権を侵害するものであると主張する。
 
しかしながら,大きく引き延ばして印刷等をすればその繊細な色彩や陰影等の相違が明らかになるとしても,その前の本件ウェブ用画像の作成や本件ウェブサイトへの掲載において,カンプやプレゼンテーションにおいて使用するに支障が生じない程度に解像度を低下させたにすぎないのであれば,表現において同一性が失われているということはできない。その他,本件ウェブ用画像においてその基となった原告の写真と比較した場合に,表現において同一性が失われていると認めるに足りる証拠はない。











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