著作権重要判例要旨[トップに戻る]







二重起訴の禁止
「『どこまでも行こう』・『記念樹』/ポニーキャニオン事件」平成151219日東京地方裁判所(平成13()3851 

[参考:民事訴訟法142条(重複する訴えの提起の禁止]

裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。 


 民訴法142条は,裁判所に係属する事件については,当事者は,更に訴えを提起することができない旨定めているところ,これは,同一の事件について更に訴訟を提起すると,訴訟経済に反するばかりでなく,判決の矛盾抵触を生ずるおそれがあるからである。そして,この二重起訴が禁止される事件の同一性とは,当事者が同一であり,かつ,訴訟物が同一であることをいうものと解される。
 
本件についてこれをみるに,別件訴訟が乙曲を創作したCに対して提起されたものであるのに対し,本件訴訟は乙曲を収録した本件アルバムないしその原盤を制作したレコード会社及び音楽出版社である被告らに対して提起されたものであって,当事者が同一であるとはいえない。また,別件訴訟は,乙曲を創作したCに対し,乙曲が甲曲を編曲したものであり,原告の著作権(編曲権)及び補助参加人の著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)を侵害することを理由とする損害賠償請求訴訟であるのに対し,本件は,被告フジパシフィック及び被告ポニーキャニオンが本件アルバムの原盤を制作して乙曲を複製した行為,被告ポニーキャニオンが本件アルバムを製作・販売した行為並びに被告フジパシフィックがJASRACに乙曲の著作権を管理委託した行為が,原告の法27条の権利(編曲権)又は法28条の権利を侵害すること等を理由として損害賠償を請求する訴訟であり,訴訟物も同一であるとはいえない
 
被告らは,被告フジパシフィックがCから乙曲の著作権の譲渡を受けていることから,実質的には当事者は同一である旨主張するが,被告らが本件訴訟において,被告らには過失がないなどと主張して争っているとおり,乙曲を創作したCと,その乙曲を利用した被告らとは,立場も利害関係も異なり,実質的に同一であるとはいえない。そして,両訴訟における被告らの主張が異なる以上,両訴訟で審理の対象となる争点も異なるから,あながち訴訟経済に反するともいい得ず,原告がいたずらに同一訴訟を蒸し返すものであるということはできない。
 したがって,本件訴訟の提起は,二重起訴又は訴権の濫用であるとはいえないから,被告らの上記主張は理由がない。











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