著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権侵害の成否(6)
「新聞連載小説『愛の流刑地』事件」平成190725日東京地方裁判所(平成19()7324 

 著作権法による保護の対象となる著作物は,思想又は感情を創作的に表現したものであることが必要である(著作権法211号)ところ,「創作的に表現したもの」というためには,作成者の何らかの個性が発揮されていれば足り,厳密な意味で,独創性が発揮されたものであることまでは必要ないが,言語からなる作品においては,表現が平凡かつありふれたものである場合や,文章が短いため,その表現方法に大きな制約があり,他の表現が想定できない場合には,作成者の個性が現れておらず,「創作的に表現したもの」ということはできないと解すべきである。
 
原告は,被告小説侵害主張部分が原告小説被侵害主張部分と同一であり,被告小説の執筆は,原告小説被侵害主張分について原告が有する著作権を侵害する旨主張するので,当該主張部分を個別に検討するに,まず,原告小説被侵害主張部分については,アイディアの同一性を主張するものであって,表現の同一性をいうものではないし,原告小説被侵害主張部分と,それに対応する被告小説侵害主張部分とは,同一であるとも類似しているともいえないことが明らかである。
 また,上記以外の原告小説被侵害主張部分は,地名を表示するものを含むほか,いずれも,日常的によく使用されている,極めてありふれた表現であって(しかも,そのほとんどは,1ないし2単語の語句である。),同部分に著作物性が認められないことが明らかであるから,原告の上記主張は,いずれも採用できない。











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