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14条の適用解釈
YG性格検査用紙著作権持分確認請求事件」平成200619日大阪地方裁判所(平成18()3174 

 本件の争点は,前記のとおり,P1が本件質問項目(現行用紙に掲載されている質問項目全体)の共同著作者の1人であるか否か,より具体的には,P1が本件質問項目の作製について創作的な関与をしたか否かである。
 当裁判所は,P1は本件質問項目の作製について創作的な関与をしたと判断するものであるが,YG性格検査における質問項目は,その研究当初から今日までの間に研究の成果を踏まえて変遷してきている。
 
そこで,以下では,まず,YG性格検査の研究の経緯について事実認定を行い,その上で,現行用紙にP1が「著者」の1人として表示されていることにより本件質問項目の著作者としての推定が及ぶか否か(著作権法14条の適用の有無)について判断し(当裁判所はこれを肯定する。),次に,P1が本件質問項目の著作者であるとの推定を覆すに足りる事実が認められるか否かについて被告らの主張を順次検討することとする。
 
(略)
 
[著作権法14条の適用の有無について]
 
著作権法14条は,「著作物の原作品に,又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に,その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号,筆名,略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は,その著作物の著作者と推定する。」と定める。本件質問項目が掲載されている現行用紙には「著者」として,P3及びP4と並んでP1の氏名が表示されているところ,被告らは,この表示はあくまでYG性格検査用紙についての著作者の表示であって,YG性格検査についての著作者の表示ではないと主張する。
 
しかし,現行用紙は,本件において著作権(持分権)の帰属が問題となっている著作物である本件質問項目を掲載したものであるから,本件質問項目は,現行用紙がYG性格検査の被験者等の公衆に対して提供又は提示される際に,これに伴い公衆に対して提供又は提示されるものである。したがって,現行用紙に「著者」として表示されている者は,現行用紙自体の「公衆への提供若しくは提示の際に」その実名が「著作者名として通常の方法により表示されている者」であると同時に,著作物である本件質問項目の「公衆への提供若しくは提示の際に」その実名が「著作者名として通常の方法により表示されている者」ということができる。よって,現行用紙に「著者」としてP1の氏名が表示されている以上,P1は本件質問項目の著作者と推定される(著作権法14条)。
 
(略)
 
以上のとおり,被告らの各主張,すなわち,…,との各主張はいずれも理由がない。
 
そうすると,P1は,現行用紙に「著者」の1人としてその氏名が表示されていることから,本件質問項目の共同著作者の1人と推定される(著作権法14条)ところ,この推定を覆すに足りる反対事実は認められないことになるから,P1は,本件質問項目の共同著作者であると認められる。











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