著作権重要判例要旨[トップに戻る]







損害賠償の準拠法(3)-香港開催のオークションに係わる事例-
「オークション出品作品無断複製事件」平成211126日東京地方裁判所(平成20()31480 

【コメント】本件は、絵画等の美術品の著作権者である原告らが、被告において香港で開催予定のオークションの出品カタログ等に原告らが著作権を有する美術品の画像を掲載し、また、その一部をインターネットで公開したことにより、原告らの複製権及び原告Aの公衆送信権を侵害したとして、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償等の支払を求めた事案です。

[参考:通則法17条(不法行為)]

不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、加害行為の結果が発生した地の法による。ただし、その地における結果の発生が通常予見することのできないものであったときは、加害行為が行われた地の法による。 


 準拠法について
 本件における原告らの請求は,我が国に在住する原告らが著作権を有する著作物の画像を被告が複製又は送信可能化したことを理由とする損害賠償請求であるから,このような損害賠償請求権の成立及び効力に関して適用すべき法は,我が国の法と認められる(法の適用に関する通則法17)。
 
被告は,次のとおり主張し,香港法が適用される旨主張する。
 
本件オークションは,香港で開催されるものであるから,主催会社である被告が日本の会社であるという理由では,カタログを通常の国際慣行とは異なるものにすることはできなかった。
 
オークション開催地の法律によれば適法であるのに,日本国内での複製や配布が認められないことは,日本のオークション会社が世界ではハンディを負わねばならないことを意味するのであり,そのような解釈は,我が国文化の発展にとっても不利益となり,不当であることは明らかであり,本件オークションにまつわる一連の行為については,その中心的行為がされる地である香港の法を準拠法とするべきである。
 
しかしながら,複製権の侵害が問題とされている本件フリーペーパー,本件パンフレット及び本件冊子カタログは我が国国内で配布されたことが認められ,かつ,いずれの当事者も我が国国内に住所及び本店を有することからすれば,香港が我が国と比べて明らかに密接な関係がある地であると認めることはできないから,被告の主張する事情は,上記の判断を左右するものではない。











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