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ホームページの編集著作物性
京都高校総体ホームページ事件」平成130531日京都地方裁判所(平成10()3435 

【コメント】本件は、京都市で開催された高校総体のインターネットホームページを制作した原告が、当該ホームページ等をCD-ROM化した被告に対し、著作権侵害・著作者人格権侵害を理由に、当該CD-ROMの複製・頒布の停止、損害賠償の支払等を求めた事案です。

 
「本件ホームページ」には、以下のような4つの「システム」が含まれていました。

「大会スケジュール検索システム」:本件ホームページの日本語版の「トップページ」のInformation欄のScheduleをクリックすると、「大会スケジュール」と題するページが表示される。同ページで「会場地」と表示されている部分をクリックすると、京都府内の自治体名が表示され、そこで特定の自治体名を選択すると、当該自治体での大会スケジュールを示す画面が表示される。同様に、同「大会スケジュール」で、「競技種目」と題するページをクリックすると、競技種目の一覧が表示され、そこで特定の競技種目名を選択すると、当該競技種目の大会スケジュールを示す画面が表示される。

「ハイライト検索システム」:トップページのInformation欄のHighlightsをクリックすると、「高校総体大会ハイライト」と題するページが表示される。同頁で「一覧検索」と記載されている欄をクリックするとハイライト情報の一覧をまとめた画面が表示され、「日付でソート」と記載されている欄をクリックすると、ハイライト情報の表題を登録日付に対応してまとめた画面が表示され、「会場でソート」と記載されている欄をクリックすると、ハイライト情報の表題を会場ごとにまとめた画面が表示され、「競技でソート」と記載されている欄をクリックすると、ハイライト情報の表題を競技ごとにまとめた画面が表示される。そして、それぞれの画面の「avと題する欄の各番号をクリックするとハイライト情報を表示することができる。

「イベント検索システム」:トップページのInformation欄のCalendarをクリックすると、19969月から19978月までの各月を示す「Event Calendar」と題するページが表示される。同頁で8月をクリックすると、8月のカレンダーが表示され、各日付をクリックすると、その日の伝統行事、イベントなどの写真や解説を示す頁が表示され、それらの頁で下線の付された地名をクリックすると、その場所を示す地図が表示される。

「本件マップナビゲーションシステム」:トップページのInformation欄のMap Informationをクリックすると、京都市の全域図が表示される。ここで、全域図上に表示された特定のポイントをクリックすると、そのポイント近辺の詳細地図が表示され、そこで表示された特定のポイントをクリックすると、そのポイントに関する観光情報が表示される。 


 [大会スケジュール検索システムについて]
 
原告の主張する素材,選択,配列の具体的内容が明らかではないが,@画面に着目すると,大会日程検索の画面・地名ないし競技種目選択の画面・選択後の検索結果の画面という素材を配列したものということはでき,A検索結果に着目すると,素材として会場地・競技種目・日程を選択し横一線に配列したり,会場地,競技種目,日程,競技会場を選択し横一線に配列したりしているということはできる。
 
しかし,@及びAの素材の選択ないし配列は,いずれも,目的とする機能である大会スケジュールの選択の観点からすれば誰がしても同一の結果に達するものといわざるを得ず,創作性は認め難い
 
[ハイライト検索システムについて]
 
原告主張の「情報の選択又は体系的な構成」の具体的内容が必ずしも明らかではないが,大会のハイライト情報について,日付,会場,競技というかたちで検索の基礎となる分類体系を定めたものと考えられる。
 
しかし,競技大会のハイライト情報の検索という目的上,上記分類体系は極めて基本的なものであり,制作者の個性が反映されたものと認めることは困難であるから,創作性は認め難い
 
[イベント検索システムについて]
 原告の主張する素材,選択又は配列の具体的内容が必ずしも明らかではないが,イベントカレンダーの画面,特定の月のカレンダーを示す画面,特定の日のイベントを示す画面及びそのイベントの行われる地図を示す画面という素材を選択,配列したものといえる。イベントの検索の観点からは,常識的であるといえるが,素材の選択と配列について,誰がしても同じになるといえるほどありふれたものとまではいえず(カレンダー形式によるか否か,地図を含めるかどうかなど),制作者の思想が表現されたものとして編集著作物に該当すると認められる。
 
[本件地図及び本件マップナビゲーションシステムについて]
 
(本件地図について)
 
(略)
 
(本件マップナビゲーションシステムについて)
 
編集著作物としての素材の選択又は配列に関する創作性,データベースの著作物としての情報の選択又は体系的な構成に関する創作性についての原告の主張は必ずしも明確ではない。
 
しかし,本件マップナビゲーションシステムは,全域図を示す画面,詳細地図を示す画面,観光情報を示す画面を選択し配列したものということができるところ,全域図と詳細地図の層構造自体は必ずしも個性的な表現形態とは認め難いが(一般の地図でも行われるところである。),詳細地図にどのようなサイズを選択するか,観光情報として何を選択するかについては制作者の個性の発現を認めることができるから,著作物性を認めることができる
 
なお,原告は,本件マップナビゲーションシステムのソフトウエアについて,地図画像をスムーズにスクロールさせたり,地図にクリックして詳細情報を得たり,詳細情報の会場名から地図を呼び出し,その地図上のポイントを四角で囲んで即座にわかるようにしている旨主張する。しかし,これは,平成1172日第2回弁論準備期日においてソースコードの著作権に関する主張を撤回した趣旨に反する主張であるといわざるを得ないし,これを措くとしても,著作権法によって保護されるのは,具体的な表現であるところ,上記主張は,アイデアないし機能の創作性をいうものであり,表現の創作性をいうものではないから,主張自体失当というべきである(なお,ポイントを四角で囲むとの点は,表現を主張するものと解せられないでもないが,これに創作性がないことは明らかである。)。











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