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プログラムの著作物の侵害性が問題となった事例(4)
「‘RBCソフト’vs.‘貸出君’事件」平成200520日大阪地方裁判所(平成16()1091等) 

 KCSは,RBCプログラムと貸出君プログラムの@ソースコード,A開発用書類,Bオペレーションマニュアルを比較し,RBCプログラムは貸出君プログラムに依拠し,これを複製又は翻案したものであると主張する。
 
(略)
 [ソースコードについて]
 
(同一部分の割合)
 
RBCプログラムが貸出君プログラムと同一であるとKCSが指摘する部分の割合(RBCプログラムの全行数に対する,RBCプログラム内において貸出君プログラムと同一であるとKCSが指摘する部分が存在する行の数の割合)は,次のとおりである。
 
(略)
 
(同一部分の記載事項)
 
RBCプログラムと貸出君プログラムが同一であるとKCSが指摘する部分の記載事項は,具体的には次のとおりである。
 
(略)
 
以上のとおり,Win版について,KCSが同一であると指摘する部分の割合はRBCプログラム全体の30%ないし10%であるところ,その大半が創作性のない命令,関数又は文法であり,それ以外の部分は,項目名称であって,同一業界ないし同一業種で用いられるビジネスソフトでは,項目名称自体が近似する上,プログラムを開発した企業では,項目名称のプログラム表現にもよく似た略語を統一的に用いるのが一般であることに照らせば,乙第84号証及び乙第86号証における対比対象プログラムにおいて,RBCプログラムが貸出君プログラムに依拠して作成されたものとは到底認められず,他にRBCプログラムが貸出君プログラムに依拠したものであることを認めるに足りる証拠はない。
 
また,ビジネスサーバ版については,そもそもKCSが同一であると指摘する部分の割合がRBCプログラム全体の1%にも満たず,同一であると指摘する部分の記載内容もCOBOL言語における命令にすぎず創作性が認められないものであるから,乙第87号証及び乙第88号証における対比対象プログラムにおいて,RBCプログラムが貸出君プログラムに依拠して作成されたものとは到底認められず,他にRBCプログラムが貸出君プログラムに依拠したものであることを認めるに足りる証拠はない。
 
(略)
 
以上のとおり,RBCプログラムのビジネスサーバ版は,貸出君プログラムのASP版に存在した欠点を克服するため,@処理スピードの向上,A操作性の向上,及びBネットワークの強化という基本的な考え方を具体化したプログラムである。
 
画面設計においても,RBCプログラムの「得意先マスタメンテナンス」の画面と,貸出君プログラムの「得意先マスタ登録・修正・削除」の画面を比較し,また,RBCプログラムの「出庫入力画面」と,貸出君プログラムの「出庫入力画面」を比較すれば,両者の画面設計は全く異なっている。
 
また,プログラムの組み方に関しても,貸出君プログラムが「非構造化プログラム」という方法でプログラムが組まれているのに対し,RBCプログラムは「構造化プログラム」という方法でプログラムが組まれている。
 
このように,RBCプログラムのビジネスサーバ版は,上記の3つの基本的な考え方を具体化した結果,貸出君プログラムのASP版とは異なる新たなプログラムとなっているものといえる。
 
(略)
 
以上のとおり,RBCプログラムのWin版は,貸出君プログラムのWin版に存在した欠点を克服するため,@処理スピードの向上,A操作性の向上,及び,Bネットワークの強化という基本的な考え方を具体化したプログラムである。
 
画面設計においても,RBCプログラムの「得意先マスタメンテナンス」の画面と,貸出君プログラムの「得意先マスタ登録」の画面を比較し,また,RBCプログラムの「入出庫入力画面」と,貸出君プログラムの「出庫入力画面」を比較すれば,両者の画面設計は異なっている。そして,その結果,RBCプログラムと貸出君プログラムには多数の相違点が存在している。
 
以上のとおり,RBCプログラムのWin版は,上記の3つの基本的な考え方を具体化した結果,貸出君プログラムのWin版とは異なる新たなプログラムとなっているものというべきである。
 
[開発用書類及びオペレーションマニュアルについて]
 
KCSは,RBCプログラムと貸出君プログラムの開発用書類が,その内容に加え,行数やセルの幅まで完全に一致していること,オペレーションマニュアルについても,その内容に加え,アスタリスク(*)の数や具体的な一字一句の表現まで一致している部分があることからして,データの上書きがなされていることが明らかであるとして,RBCプログラムが貸出君プログラムに依拠して作成されたものである旨主張する。
 
しかし,RBCプログラムが貸出君プログラムとは異なる設計仕様によって作成されたものであることは,上記説示のとおりであって,両プログラムの開発用書類及びオペレーションマニュアルにおける記載に上記の程度の共通点があるからといって,RBCプログラムが貸出君プログラムに依拠して,これを複製又は翻案されたものということはできない。











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