著作権重要判例要旨[トップに戻る]







マスタリング後の音源CD-Rの引渡請求が問題となった事例
「レゲエCD発売契約交渉決裂事件」
平成180630日東京地方裁判所(平成17()11680 

[参考:民法243条(動産の付合]

所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。 


 マスタリング後の音源の引渡請求について
 
被告が@「…」(本件発売予定CD1),A「…」(本件発売予定CD2),B「…」(本件発売予定CD3),C「…」(本件発売予定CD7)の収録曲のマスタリング作業(管理人注:音質を調整する作業のこと)を被告の費用負担において行い,これを被告所有のCD-Rに記録し,占有していることは,当事者間に争いがない。
 
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原告は,本件CD-Rはマスタリングされた音源が記録されることにより,記録前のCD-Rよりはるかに高い付加価値を有するに至ったから,その所有権は民法243条又はその類推適用により,主要な価値の権利者である原告に帰属する旨主張する。
 
しかし,所有権は,有体物を目的とする権利であるのに対し,著作権は無体物たる著作物を目的とするものである。その結果,有体物の所有権者と有体物上に表現された著作物の著作権者が異なることがあり得ることは,制度上予定されたことである。したがって,民法243条の適用又は類推適用により本件CD-Rの所有権が原告に帰属するに至った旨の原告の主張は,理由がない
 
なお,原告が著作権法1122項の規定に基づき,本件CD-Rの引渡しを求めるものだとしても,同項は,権利侵害の停止又は予防に必要な限度で著作物が記録された有体物の廃棄等を請求することができるに止まり,著作権者にその引渡請求権を認めたものではないから,同項に基づく請求も理由がない。
 
したがって,本件CD-Rの所有権に基づく原告の本件CD-Rの引渡請求は,理由がない。











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