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原稿料請求権の存否及び書籍タイトルの変更の不法行為性等が問題となった事例
「書籍‘プロレス八百長伝説’事件」平成220602日知的財産高等裁判所(平成22()10016 

 [原稿料請求権の存否及びその額について]
 
(被控訴人インフォレストに対する請求について)
 控訴人は,本件原稿料の支払を被控訴人インフォレストに対しても請求するところ,上記の事実によると,控訴人に本件原稿執筆の依頼をしたのは被控訴人スポーツであって,被控訴人インフォレストではなく,本件原稿は,被控訴人インフォレストが出版した本件書籍に掲載されたが,控訴人は,そのことを知った上で,被控訴人スポーツの依頼で本件原稿を執筆してその掲載に応じているものであって,被控訴人インフォレストと控訴人との間に本件原稿の執筆を目的とした契約関係があったとまでは認められないから,本件原稿料支払義務を負うのは被控訴人スポーツにすぎず,被控訴人インフォレストが控訴人に対して本件原稿料の支払義務を負うものではない
 
この点について,控訴人は,Cが控訴人に対し「本件原稿料は被控訴人インフォレストから出る」と話していたと主張するが,Cからそのような話があったとしても,その趣旨は,控訴人に支払われる本件原稿料支払の原資が被控訴人インフォレストから被控訴人スポーツに支払われる編集委託料によるものであるとの趣旨であったと解され得るし,仮に,被控訴人インフォレストが控訴人に本件原稿料を支払う趣旨あるいは被控訴人スポーツの支払を被控訴人インフォレストも負担する趣旨であったとしても,同被控訴人の取締役や従業員でさえないCのそのような話によって,直ちに被控訴人インフォレストが控訴人に対する本件原稿料支払義務を負うべき理由はない。
 
したがって,控訴人の被控訴人インフォレストに対する本件原稿料の支払請求は,その支払を求め得る前提を欠き,失当である。
 
(略)
 
[不法行為1の成否及びその損害賠償額について]
 
前記の事実によると,控訴人は,Cに対し,本件書籍のタイトルに「八百長伝説」との語句が入ることに抗議をしたが,Cから,タイトルは被控訴人インフォレストが決めるものなのでどうしようもないと告げられ,本件書籍の最終校正の段階で本件原稿の掲載の中止を申し入れると,被控訴人インフォレストを含む他の関係者に迷惑をかけることになると考え,タイトルに「プロレス八百長伝説」との語句が入る本件書籍に本件原稿が掲載されることもやむを得ないと考えたものであって,積極的ではなかったにせよ,これを了承していたものということができる。
 
したがって,タイトルに「プロレス八百長伝説」との語句が入る本件書籍に本件原稿が掲載されたことをもって,控訴人主張の不法行為が成立する余地はなく,被控訴人らに対する当該不法行為に基づく損害賠償請求は失当である。











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