著作権重要判例要旨[トップに戻る]







同一性保持権侵害後の行為の停止を請求できるか
「観音像仏頭部すげ替え事件平成210528日東京地方裁判所(平成19()23883 

 原告は,E4の遺族として,著作権法1161項,1121項に基づき,被告光源寺に対し,本件観音像について,その仏頭部を同観音像制作当時の仏頭部(本件原観音像の仏頭部)に原状回復するまでの間,一般公衆の観覧に供することの停止を請求できる旨主張する。
 
著作権法1161項は,著作者の死後においては,その遺族は,当該著作者について同法60条に違反する行為をする者に対し,同法112条の請求をすることができる旨定めている。
 
しかるに,著作権法1121項は,著作者人格権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができることを定めたものであるところ,被告光源寺による上記仏頭部のすげ替え行為は,前記のとおり,E4の意に反する改変に当たり,E4が存しているとしたならばその著作者人格権(同一性保持権)の侵害となるべき行為に該当するが,他方で,被告光源寺が仏頭部のすげ替え後の本件観音像を公衆の観覧に供していることは,上記改変後の行為であって,E4の著作者人格権(同一性保持権)の侵害となるべき行為に当たるものとは認められないから,同条項により,原告が本件観音像を公衆の観覧に供することの停止請求をすることはできないものと解される。
 
したがって,原告の上記主張は,理由がない。

 ⇒控訴審参照











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