著作権重要判例要旨[トップに戻る]







旧法下における編集著作物の適法要件が問題となった事例
「戦没者遺稿集『地のさざめごと』編集著作権等侵害事件」昭和550917日東京地方裁判所(昭和44()6455 

[参考:旧著作権法14条(編集著作物)]

数多ノ著作物ヲ適法ニ編輯シタル者ハ著作者ト看做シ其ノ編輯物全部ニ付テノミ著作権ヲ有ス但シ各部ノ著作権ハ其ノ著作者ニ属ス 


 しかして、本件編集物(旧著作権法施行当時に編集されたものであること前記認定から明らかである。)が旧著作権法の保護を受ける編輯著作物であり現行著作権法の保護を受ける編集著作物であるといいうるためには、その編集が適法であることを要する(旧著作権法第14条、現行著作権法附則第2条参照)。そして、ここにおいて編集が適法であることとは、著作権の保護期間の存続中の著作物についていえば、当該著作物を編集物の素材として収録することについてその著作権者の許諾を得ていることをいうものと解される。
 
(略)
 
以上の認定事実と前記認定の事実及び本件口頭弁論の全趣旨とを総合すれば、戦没者の遺族などが戦没者の遺稿などを提供した本件における行為は、著作権者としての遺族などが、右遺稿などを編集物の素材として収録することを許諾する意思を表明したものと解するのが相当であり、また、前段に認定の事実によれば、遺族などに対する遺稿などの提供の依頼の過程においては遺稿集の編集者が何人であるかは明示されていないが、右認定の事実関係のもとでは右依頼に応じて遺族などが遺稿などを遺稿集に収録することの許諾を与えた対象は、静岡大学、記念の会ないし準備委員会、実行委員会を含み概括的であつたと解するのが相当である。そして、このように、許諾を与えた対象が概括的であることに徴すれば、準備委員会の内部的取決によりその構成員が遺稿集を編集し、結果として準備委員会ではなく当該構成員が遺稿集の編集者となつたとしても、当該構成員による編集は右許諾の範囲内にあると解するのが相当である。そうすると、準備委員会の構成員である原告、参加人A、参加人Bが、同委員会における前記認定の取決に従つて行つた本件編集物の編集は右許諾の範囲内において行われたものということができる。
 
してみると、原告、参加人A、参加人Bの行つた本件編集物の編集は適法であり、したがつて、本件編集物については旧著作権法第14条の規定により編輯著作権が成立し(同法第13条中の「各著作者ノ分担シタル部分明瞭ナラサル」共同著作物たる編輯著作物)、それ故現行著作権法においても編集著作物(同法第2条第1項第12号の共同著作物たる編集著作物)として保護される。











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