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違法に作成された二次的著作物を所蔵する図書館設置者に対する差止請求の可否
「違法二次的著作物図書館所蔵事件」平成220804日知的財産高等裁判所(平成22()10033 

【コメント】本件は、原告著作物(控訴人著作物)(日本語)を著作した原告が、韓国語の書籍である「本件韓国語著作物」が原告の原告著作物に係る著作権(複製権、翻訳権・翻案権)を侵害するものであることを前提に、被告ら(大学等)に対し、被告らが、それぞれ設置する図書館等において本件韓国語著作物を閲覧、謄写、貸与する行為が、原告の著作権(二次的著作物に係る貸与権)を侵害する、被告らが、それぞれ設置する図書館等において本件韓国語著作物を所蔵、貸与する行為が、原告の著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害すると主張して、本件韓国語著作物の閲覧、謄写、貸出しの差止め等を求めた事案の控訴審です。 

 以上の事実によると,本件韓国語著作物は,控訴人著作物の目次,項目及び解説部分をほぼ直訳して翻訳したものであり,また,各項目の内容についても,控訴人著作物の内容をほぼ直訳して翻訳したものと推認される。
 したがって,本件韓国語著作物は,控訴人著作物の著作者の翻訳権を侵害して作成された違法なものである。
 
(略)
 
[差止請求等の可否]
 
前記のとおり,被控訴人らは,いずれも,本件韓国語著作物を貸与等の目的をもって購入し,それぞれの図書館等において所蔵しているにすぎない者であって,控訴人著作物に係る控訴人の著作権や著作者人格権(以下「著作権等」という。)を直接的に侵害する主体と認められる者ではない。
 
そして,著作権法113条が,直接的に著作権等の侵害行為を構成するものではない幇助行為のうちの一定のものに限って著作権等侵害とみなすとしていることからしても,同条に該当しない著作権等侵害の幇助者にすぎない者の行為について,同法112条に基づく著作権等侵害による差止等請求を認めることは,明文で同法113条が規定されたことと整合せず,法的安定性を害するものであるから,直接的な著作権等の侵害行為や同条に該当する行為を行っておらず,これを行うおそれがあるとは認められない被控訴人らに対する差止等請求を認めることはできない。











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