著作権重要判例要旨[トップに戻る]







「謝罪広告」の掲載の可否
「流行歌『阿蘇の恋唄』無断複製事件」昭和450303日大分地方裁判所(昭和41()507 

 …によると、原告が昭和23年、訴外【A】が作詩し、同【B】が作曲し、同【C】が編曲して成立した流行歌「阿蘇の恋唄」を右訴外人らの承諾を得て訴外【D】の歌唱、同太洋オーケストラの演奏により録音物に写調したこと、そのころ原告は右録音物を複製して78回転盤レコードを2,000枚製作し、その音盤中心部に原告が流行歌「阿蘇の恋唄」の著作者であることを示す太洋、TAIYOなる文字を印刷したレツテルを貼付したこと、原告は右レコードを阿蘇地方を中心に発売したことが認められ、これを左右するに足りる証拠はない。
 
(略)
 
被告が昭和36年ころ流行歌「阿蘇の恋唄」を原告に無断で原告が発売した右曲のレコードより再生録音し、これを複製して45回転盤レコードを1,500枚製作したこと、被告はその音盤中心部に大分民謡「阿蘇の恋唄」と表示し被告が右曲の著作権者であることを示すTEICHIKUの文字を印刷したレツテルを貼付したこと、被告はそのレコードを別府市内の被告の販売特約店である訴外アベ楽器店へ1,000枚、同エトウ南海堂へ500枚販売したこと、以上の事実は当事者間に争いがない。
 
そうすると被告が原告の同意を得ずに大分民謡「阿蘇の恋唄」と題するレコードを製作し、これに自らが著作者であるかの如くTEICHIKUと表示し原告名をことさら隠匿したことは原告の著作人格権を侵害したものと云わざるを得ない。
 
およそ著作権者が自己の著作人格権を無視された場合に、これを訂正し著作権者たることを確保するためには地域的社会的にその無視された分野範囲において新聞紙にその真実を公表するのが最も適切かつ効果的である
 
前記認定の如く、原告が「阿蘇の恋唄」のレコードを発売した地域が阿蘇を中心とした地域であり被告の偽作レコードを発売した地域が大分県内であつたことから、大分、熊本両県下並びにレコード業界において原告が右レコードの著作権者たることを無視されたものと云うべく従つてその範囲においてこれが回復のための措置を講ずるをもつて十分とする。従つて原告の著作人格権回復のためには熊本県下で発行される熊本日々新聞、大分県下で発行される大分合同新聞の各朝刊社会面およびレコード業界の業界紙である連合通信芸能速報に原告申立どおりの謝罪広告を各一回掲載するをもつて必要かつ十分の措置と考えられる。よつて原告の謝罪広告を求める請求は右の限度で理由がありその余は理由がない。











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