著作権重要判例要旨[トップに戻る]







手足理論
「インベーダーゲーム事件」
昭和571206日東京地方裁判所(昭和54()10867 

【コメント】本件において被告会社は、顧客から注文を受け、「本件ゲーム」(テレビ型ゲームマシン「スペース・インベーダー・パートU」)の内容とは別のゲームの内容を映し出すゲームマシンのコンピユーター・システムの基板を取り外し、これを訴外電商サービスらに持ち込んで、当該基板に取り付けられたROM又は必要に応じて追加したROMに「本件オブジエクトプログラム」を収納させ、この基板を顧客のゲームマシンに再び取り付けることによって、当該テレビ型ゲームマシンの受像機面上に本件ゲームの内容が映し出されるように改造しました。本件では、この被告会社の行為が問題となりました。

 
なお、本件ゲームの内容は、記号語(アツセンブリ言語)を用いて表示されたソフトウエア・プログラム(「本件プログラム」)によって表現されており、ゲームマシンのコンピユーター・システムの記憶装置(「ROM」)には、本件プログラムが記号語を機械語に変換した上電気信号の形で収納されていました(この機械語に変換された本件プログラムが「本件オブジエクトプログラム」)。 


 右事実によれば、本件オブジエクトプログラムは本件プログラムの複製物に当たり、訴外電商サービスらの本件オブジエクトプログラムを他のROMに収納した行為は、本件プログラムの複製物から更に複製物を作出したことに当たるから著作物である本件プログラムを有形的に再製するものとして複製に該当する。
 
そして、被告会社が注文を受けた顧客のゲームマシンのコンピユーター・システムの基板を取り外して、これを訴外電商サービスらに持ち込み、右基板に取り付けられたROM又は必要に応じて追加したROMに本件オブジエクトプログラムを収納せしめた行為は、右訴外人らを被告会社のいわば手足として使用したもので、被告会社自身が本件プログラムの複製行為をしたものと評価できる
 
右収納行為をした当時被告【A】が被告会社の代表取締役であつたことは当事者間に争いがなく、…によれば、被告【A】は、昭和548月ころ、原告が当時新製品として発売した本件機械の定価が50万円を超えており、ゲームマシンを設置ないし賃貸している業者が既存のゲームマシンを安価に本件機械に改造することを希望していたことから、その改造を計画し前記の複製行為をしたことが認められる。
 
右事実によれば、被告会社が右複製行為をするにつき、被告会社代表取締役であつた被告【A】は本件プログラムが原告あるいはその他第三者の作成にかかるものであることを知り、又は少なくとも過失によつてこれを知らなかつたことが認められるから、右複製行為は故意又は過失によつてされたものというべく、被告らは不真正連帯の関係で、右不法行為によつて原告が被つた損害を賠償すべき義務がある。被告らは、本件プログラムが著作物であり、その複製に原告の許諾が必要であることを当時知らなかつた旨主張するけれども、右は法の不知というべく、被告らの右賠償責任の成立に消長を来たさない。











相談してみる

ホームに戻る