著作権重要判例要旨[トップに戻る]







出版者の注意義務(7)
「‘出る順’宅建事件」平成70516日東京高等裁判所(平成6()3132 

 前記認定のとおり、控訴人学院は、平成210月に被控訴人を退職したA及びBに、退職の約2か月後の平成212月から、原告書籍(一)と同様の宅建試験の受験者用のテキストである被告書籍(一)の執筆をさせていることに鑑みれば、控訴人学院は、A及びBが被控訴人に勤務中、宅建試験の受験指導に関与していた経歴を知ったうえ、被告書籍(一)の執筆をさせたものと推認される。
 
そうすると、控訴人学院は、右両名によって短期間に作成された被告書籍(一)の原稿が被控訴人の出版している同種の書籍の著作権を侵害していていないかどうか調査し、他人の著作権を侵害しないようにすべき義務があるのにこれを怠ったまま被告書籍(一)を販売し、また、その要点を抜き出した被告書籍(二)を無償配布した過失があるものと認められる
 
控訴人出版は、控訴人学院と代表者を同じくし、営業所も同一場所にあり、かつ、業務においても密接な関係を有しているものであるから、控訴人学院の発意のもとにでき上がった被告書籍(一)、(二)の原稿を出版しようとする場合、控訴人学院と同様に、でき上がった被告書籍(一)、(二)の原稿が他人の出版している同種の書籍の著作権を侵害していないかどうか調査し、他人の著作権を侵害しないようにすべき義務があったものというべきところ、控訴人出版は、これを怠ったまま被告書籍(一)、(二)を出版したのであるから過失があるものと認められる
 
右控訴人らの行為は、客観的に関連共同するものとして、共同不法行為に当たり、控訴人らは連帯して被控訴人の損害を賠償すべき責任を負う。











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