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漫画イラストのテレビCMにおける類似性が問題となった事例
「タウンページイラスト事件」
平成120530日東京高等裁判所(平成12()464 

 控訴人は、被控訴人CM1の上から一番目の枠が、控訴人漫画の二段目の中枠と、キャラクターの配置や眉毛の形において類似する旨主張する。
 
しかしながら、被控訴人CM1の同枠では、キャラクターが一見横一列に並んでいるかのように見える構図であるのに対し、控訴人漫画の同枠では、二体のキャラクターが一体のキャラクターの上方に位置していることが、一見して明白な構図であって、両者の間に類似性は認められない。控訴人は三体のキャラクターのうち手前に一体が配置されている点において共通性が認められると主張するが、複数のキャラクターのうち強調するものを前方に配置することはよくある一般的な手法にすぎず、この程度のことが共通しているからといって、直ちに両者が類似しているとすることはできない
 
また、後方右端のキャラクターの眉毛の形については、両者ともハの字を逆にした形をしているとはいえるものの、控訴人漫画の前記枠では、眉毛の角度が急で怒りの感情を表現していると認められるのに対し、被控訴人CM1の前記枠では眉毛の角度がゆるやかで、使命感を帯びた厳めしさを表現しているものと認められ、そこに怒りの感情を読みとることはできないから、両者のキャラクターの表情は、大いに異なるというべきであり、これらが類似しているとはいえない。また、眉毛の形によってキャラクターの感情を表現することはよくある一般的な手法であって、このような手法が共通しているからといって、直ちに両者が類似しているとすることはできない
 
控訴人は、被控訴人CM1の上から四番目の枠は、一番目の枠と合わせて見ると、背景の本棚から本が飛び出すというアイディアを用いたものであると見ることができ、控訴人漫画の一段目の左枠とアイディアが共通している旨主張する。しかし、被控訴人CM1の四番目の枠と、一番目の枠とを対比しても、背景の本棚から本が飛び出したことが表現されていると見ることはできないから、両者が類似しているとは認められない。
 
控訴人は、被控訴人CM1の上から三番目の枠が、三体のキャラクターが上下にずれた並び方において控訴人漫画の一段目の右枠と類似する旨主張するが、このような並び方はキャラクターの配置としてはありふれたものであって、この程度のことが共通しているからといって直ちに両者が類似しているとすることはできない。そして、控訴人漫画の同枠では、キャラクターがいずれも正面を向いて別の相手を非難していることを表現しているのにのに対し、被控訴人CM1の同枠では、手前のキャラクターが後ろを向いて後方のキャラクターと話をしていることを表現しており、両者の表現は明らかに異なっている。
 
以上によれば、被控訴人CM1は、控訴人漫画と類似しているとは認められないから、控訴人のその余の主張につき検討を加えるまでもなく、被控訴人CM1が控訴人漫画に依拠したものであるとの控訴人の主張は失当なことが明らかである。











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