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国語教科書準拠テストでの改変を同一性保持権侵害と認定した事例(2)
「検定教科書準拠教材事件」平成141213日東京地方裁判所(平成12()17019 

 …によると,本件書籍と本件著作物を対比すると,別紙改変目録記載のとおり,本件書籍には,@「こんにちわ」を「こんにちは」に変更したこと,A「はんにんのしもんをとる」という文書を削除したこと,B平仮名を片仮名に変更したこと,C「でんわとる」を「じゅわきとる」に変更したことが認められる。これらは,著作権法20条が規定する「改変」に当たるものと認められる。
 
(略)
 
…によると,改訂後に出版された本件著作物と本件書籍とを対比すると,別紙改変目録記載のとおり,上記各書籍には,@「?」を「。」に変更したこと,A””を削除したこと,B片仮名を平仮名に変更したこと,C上記著作物にはない句読点を加えたこと,D「。」を「!」に変更したこと,E「!?」を「。」に変更したこと,F丸括弧を鍵括弧に変更したこと,F上記著作物にある読点を削除したことが認められる。
 
また,…によると,別紙改変目録記載のとおり,@平仮名を漢字に変更したこと,A漢字を平仮名に変更したことが認められる。
 
以上は,著作権法20条が規定する「改変」に当たるものと認められる。
 
(略)
 
…によると,上記著作物と被告啓林館の本件書籍を対比すると,別紙改変目録記載のとおり,@上記著作物にはない句点を加えたこと,A読点を句点に変更したこと,B「わーい」を「わあい。」と変更したこと,C上記著作物にある読点を削除したこと,D「うわーい」を「うわあい」と変更したことが認められる。
 
また,…によると,別紙改変目録記載のとおり,@漢字を平仮名に変更したこと,A平仮名を漢字に変更したことが認められる。
 
以上は,著作権法20条が規定する「改変」に当たるものと認められる。
 
(略)
 なお,原告Gは,上記著作物にはない語句を加筆させる問題を設定したことも,「改変」に当たると主張するが,上記著作物の原文自体が変更されているわけではないから,「改変」に当たるとは認められない
 
著作権法2021号は,学校教育の目的上やむを得ない改変を認めているが,上記記載の本件各書籍が同号の「第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)又は第34条第1項の規定により著作物を利用する場合」に当たらないことは明らかであり,同号に該当する教科書に準拠した教材であるからといって,教科書に当たらないものについて,同号により改変が適法になるものということはできない
 
また,著作権法2024号は,同一性保持権による著作者の人格的利益の保護を例外的に制限する規定であり,かつ,同じく改変が許される例外的場合として同項1号ないし3号の規定が存することからすると,同項4号にいう「やむを得ないと認められる改変」に該当するというためには,著作物の性質,利用の目的及び態様に照らし,当該著作物の改変につき,同項1号ないし3号に掲げられた例外的場合と同程度の必要性が存在することを要するものと解される。しかるところ,上記のとおり上記記載の本件各書籍は同項1号で定める場合には当たらず,同項1号で定める場合と同程度の必要性が存在すると認めることもできないし,その他被告ら主張の事情をもってしても,本件各書籍の発行に当たり上記各著作物に改変を加えるにつき,上記のような必要性が存在すると認めることはできない。したがって,著作権法2024号が定める「やむを得ないと認められる改変」に該当するとは認められない
 
(略)
 
なお,被告啓林館は,編集された教科書に準拠してテスト教材を創作したのであり,原著作物から直接に引用していないから,同一性保持権を侵害しないと主張するが,教科書に準拠して改変したとしても,結果的に改変されている以上,同一性保持権侵害に当たるものというべきであるから,被告啓林館の上記主張は理由がない。











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