著作権重要判例要旨[トップに戻る]







教科書教材会社の注意義務(2)
「検定教科書準拠教材事件」平成141213日東京地方裁判所(平成12()17019 

 によると,被告らは,学習教材協会及び教学図書協会を通じて,教科書発行会社に対して,教科書に準拠した教材を発行する許諾を得たことによる対価を支払っていたこと,これには,原告ら原著作者に対する著作権料は含まれておらず,原告ら原著作者には支払われていないこと,以上の事実が認められる。被告らは,上記対価が原著作者に支払われていなかったことを知らなかったと主張するが,上記対価の支払に関する契約書には,原著作者について何ら記載されていないこと,被告らが,原著作者に対価が支払われているかどうか確認するのは極めて容易であったと考えられるにもかかわらず,何らかの確認をしたとは認められないことからすると,被告らは,上記対価が原著作者に支払われていなかったことを知らなかったとしても,そのことに過失があるものというべきであって,以上のような事情からすると,その過失は決して軽いものということはできない
 
被告らは,現在では,その発行する書籍に著作物を掲載する場合は,原著作者と取り交わした協定書の手順に従って処理していると主張する。確かに,後記認定のとおり,被告らは,教科書掲載著作物について,契約を締結して,許諾を受け,使用料を支払っていることが認められるが,原告らが,被告らに対し,本件各著作物を本件各書籍に掲載することについて許諾し,使用料の支払を受けているとは認められないから,上記主張のような事情は,原告らとの関係では,特段考慮することはできない。
 
さらに,被告らは,原告らの請求はあまりに過大であると主張するが,原告らの請求は金員の支払請求であるから,過大であれば,適正な額が認められることになるに過ぎないものである。
 
以上述べたところからすると,原告らの本件請求が信義則違反又は権利濫用に当たるものということはできず,他に原告らの本件請求が信義則違反又は権利濫用に当たるものというべき事情は認められない。
 
上記のとおり,被告らは,上記対価が原著作者に支払われていなかったことを知らなかったとしても,そのことに過失があるものというべきであって,被告らには,本件各著作物を本件各書籍に掲載して,原告らの著作権及び著作者人格権を侵害したことについて過失があるものというべきである。











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