著作権重要判例要旨[トップに戻る]







確認の利益(4)
「キューピー事件」平成130530日東京高等裁判所(平成11()6345/「キューピー著作権確認事件」平成170215日大阪高等裁判所(平成16()1797 

「キューピー事件」:コメント】本件は、控訴人が、「本件人形」に係る著作物(「本件著作物」)の著作権者であり、被控訴人による「被控訴人イラスト」及び「被控訴人人形」の複製等が控訴人の本件著作物の我が国における著作権(「本件著作権」)の侵害に当たるとして、被控訴人に対し、これら行為の差止め等を求めるとともに、当審において請求を追加し、被控訴人に対し、控訴人が本件著作権の著作権者であることの確認を求めた事案です。 


 控訴人は、被控訴人に対し、被控訴人イラスト等に係る差止め及び廃棄の請求をする本件訴えを提起したが、被控訴人は、原審において、本件著作権が発生せず、又はこれが消滅したと主張し、本件著作権が控訴人に移転した事実を争い、本件著作権の及ぶ範囲についても控訴人の主張を争っており、当審においてもこれらの主張を維持している。そうすると、控訴人と被控訴人間の本件紛争を解決するために、上記差止め及び廃棄の請求権の存否を確定することに加え、控訴人が本件著作権の著作権者であることの確認請求についても、控訴人に確認の利益が存在するというべきである。このような本件訴訟の経緯に照らすと、上記確認請求に係る訴えの被告適格を認めることができ、また、同請求を追加することにより被控訴人に不要な応訴の負担を生じさせるものでもないから、上記確認請求に係る訴えは適法である。

「キューピー著作権確認事件」:コメント】本件は、原告が、被告において、「被告イラスト」と及び「被告人形」の複製を製造し、これを譲渡、公衆送信等する行為は、原告の有する著作権を侵害するとして、被告に対し、これらの行為の差止め等を求めるとともに、原告がキューピー作品(イラスト画)にかかる「1909年作品」、「1910年作品」及び「1912年作品」を著作物とする各著作権を有することの確認を求めた事案です。 

 確認の利益について
 
原告は、本件訴訟において、1909年イラスト画、1910年イラスト画及び1912年作品を著作物とする各著作権を有することを前提として、差止め、損害賠償等の請求を行っており、被告は、その中の幼児像のイラストと被告イラストあるいは被告人形とが複製・翻案関係にないと争うとともに、著作権の発生、移転を否定し、また既に消滅した旨主張している。
 
したがって、原告・被告間の紛争解決のため、原告が上記各著作物の著作権者であることの確認を求める請求には、確認の利益が存在するというべきである。
 
被告は、本件のように紛争の核心が複製又は翻案に該当するか否かであるときに、予備的に著作権の発生、移転について争い、あるいは消滅したことを主張したことをもって確認の利益を認めることは、不当な応訴負担を課すことになると主張する。しかし、著作物の複製又は翻案であることを争う訴訟において、予備的にであれ、当該著作物の著作権の発生、移転について争い、あるいは消滅したことを主張しなければならないわけではないから、被告があえて、争いあるいは主張したような場合には確認の利益が認められるというべきであり、敗訴の場合にその負担が課されることに何ら不当な点はない。











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