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イラストを人形にしたものの二次的著作物性
「キューピー事件」平成130530日東京高等裁判所(平成11()6345 

 本件著作物の創作性について
 
キューピーイラスト(本件イラスト著作物中のキューピーのイラスト)の形態は、@裸で立っている、A全身が三頭身である、B掌を広げている、C頭は丸い、D髪の毛は中央部が突出して額にまで細く流れている、E耳のそばにカールした髪がある、F顔は頬がふっくらと丸い、G目は丸くパッチリしている、H眉毛は小さく目との間隔が広い、I鼻は小さく丸い、J口はほほ笑んでいる、K背中に小さな双翼がある、L腹が膨れている、M性別は判別できない、N陽気に笑っているか茶目っ気のある表情をしている、という特徴を有するものと認められ、その他の特徴を含め総合的に考察すると、キューピーイラストは、従来のキューピッドのイラストと異なり、新たな空想上の存在を感得させる独創的なものであって、従来、子供、天使、キューピッド等の題材を扱った作品におけるこれらの表現として不可避又は一般的なものにとどまらない創作性を有するものと認められる。
 
また、本件著作物の複製物である本件人形を撮影した…によれば、本件人形の形態は、キューピーイラストの有する上記表現上の特徴をすべて具備していることに加え、これを変形して立体的に表現したという点において新たな創作性が付与されたものと認められる。したがって、本件著作物は、ローズ・オニールがその制作に先立って創作したキューピーイラストの二次的著作物として創作性を有するというべきである。なお、1910年作品中のキューピーのイラストは、キューピーイラスト(本件イラスト著作物中のキューピーのイラスト)の複製物であって、その創作により新たな著作権が生ずるものではないから、本件著作物の原著作物であるということはできない。
 
被控訴人は、本件人形の表現上の特徴について、いずれも「かわいらしい幼児の天使の立像」の一般的特徴であり、他の著作物にも多く認められるものであると主張する。しかしながら、「かわいらしい幼児の天使の立像」自体、その表現が多種多様であり得るのであって、そのような立像に新たな創作性が付与されたものであれば、旧著作権法及び現行著作権法上の著作物というべきである。上記のとおり、キューピーイラストが従来の作品における子供、天使、キューピッド等の表現として不可避又は一般的な表現にとどまらず、むしろ、新たな空想上の存在を感得させる表現上の創作性を有する以上、これを立体的に表現した本件著作物もまた、その創作性を認めることができる。











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