著作権重要判例要旨[トップに戻る]







住宅地図の著作物性(2)
「名古屋市全住宅案内図帳‘偽作’事件」昭和350817日名古屋高等裁判所(昭和35()306 

 所論にかんがみ、原判示事実と、原判決が引用する各証拠の内容を逐一検討してみると、原判決中には原判示名古屋市全住宅案内図帳(中区)昭和32年度版の著作権者がAである旨の記載があることは所論のとおりであるが、右の事実は、原判決引用の各証拠特に…を綜合すれば、次の各事実を窺知することができる。すなわち、右全住宅案内図帳は著作物の対象となりうるか否かにつき、その基礎をなす普通の市街地図の部分と市街図の上に記入された住宅案内図の二つの部分にわけて考察されること、市街地図の部分についてはAがみずからの調査に基づいて作成したものであれば、独自の著作権が成立するが、既に巷間に流布されている市街図を利用したものであるときは、模製の場合はもちろん、拡大敷延、修正等を加えられる場合は原則として新著作物とはならないこと、そして本件においてはそのいずれであるかが不明であること、したがつて右市街図の部分について同人に著作権があるとの事実は認められないこと、次に前記住宅案内図の部分は全く作成者の独創と努力の結果として生れた新規の著作物というべきものであつて、これは中区全体にわたつて正確、精密に居住者を調査し、これを合理的に配列し統一的に編集しているのであるから著作権法1条にいわゆる図画の一種である地図として当然に著作権の対象となること、そしてこの部分については同人が昭和30年中に作成し、著作権を取得した著作物に同人がその著作権に基づき多少の修正、増減を加えた複製であつて同人に著作権があること、そしてこの住宅案内図に著作権がある限り市街地図の部分についての著作権がなくても全体として一つの住宅案内図という著作物を形成するものであること、したがつて同人が右住宅案内図全体について著作権を有すること以上の各事実を窺知することができる。…











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