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著作権の制限と憲法29
レコード使用禁止等請求事件昭和381225日最高裁判所大法廷(昭和34()780 

【コメント】旧法下における事件ですが、現在でも参考にできる部分を含んでいます。

[参考:憲法29条(財産権)]
1 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

[参考:旧著作権法30条(著作権の制限)]
@ 既ニ発行シタル著作物ヲ左ノ方法ニ依リ複製スルハ偽作ト看做サス
第八 音ヲ機械的ニ複製スルノ用ニ供スル機器ニ著作物ノ適法ニ写調セラレタルモノヲ興行又ハ放送ノ用ニ供スルコト
A 本条ノ場合ニ於テハ其ノ出所ヲ明示スルコト要ス 


 論旨は、原審が本件に適用した著作権法3018号の憲法29条違背をいう。すなわち、昭和9年の著作権法の改正によつて新設された右3018号は、何らの財産上の補償なくして所論録音物著作権(同法22条ノ7)の内容たる録音物による興行権を剥奪する規定であつて、明らかに憲法29条に違反するというのである。
 しかし、憲法29条は、1項において「財産権は、これを侵害してはならない」旨規定し、私有財産制の原則を採るとはいつても、その保障は、絶対無制約なものでなく、2項において「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように法律でこれを定める」旨規定しているのであり、これは、1項の保障する財産権の不可侵性に対して公共の福祉の要請による制約を許容したものにほかならないことは、すでに累次の大法廷判決が判示するところであつて(昭和3349日言渡、同35615日言渡、同351221日言渡、同36125日言渡、同3766日言渡参照)、著作権法30条は、一定の場合に限つて著作物を公益のため広く利用することを容易ならしめる目的で、同条1項各号の方法により著作物を複製することは偽作とみなさないものとした法規であり、同法22条ノ7の録音物著作権についても、右3018号により興行又は放送の用に供することは偽作とならないものとされているのである。
 
そして、右の如く著作物の利用を許容するのは一定の場合の利用に限定しており、かつ同条2項において、その利用の場合は利用者に出所明示義務を負わせて著作権者の保護をもはかつているのである。すなわち、同条は、所論18号の規定を含めて、著作権の性質に鑑み、著作物を広く利用させることが要請され、前記のような要件のもとにその要請に応じるため著作権の内容を規制したものであつて、憲法292項にそうものであり、これに違反するものでないということができる。
 
右のような場合に、憲法の同条項により財産権の内容を公共の福祉に適合するように法律をもつて定めるときは、同条3項の正当補償をなすべき場合に当らない











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