英語の学び場
英文法《中級(大学入試レベル)
【☞はじめに(英文法を学習するに当たって)

言うまでもなく、「文法(Grammar)」は、言語学習の基本(土台)です。この基礎となる土台がきちんとしていないと、いくらたくさん難しい単語を覚えても、「英語を使いこなす」ことはできません。英語スキルをご自身のキャリアの中で活用したい(例えば、海外のお客さんと英語でメールのやり取りがしたい、英語で論文や記事を書きたい、英語の契約書を正確に読めるようになりたい、など)と願っている学習者であれば、なおのこと、英文法の学習を避けて通ることはできません。是非、みなさまの英文法学習の1つのツール(道具)として、本サイト『英語の学び場』を活用してください。

さて、『英語の学び場』の作成に当たっては、英米の主要な辞典、すなわち、
Oxford Learner's Dictionaries
Longman Dictionary of Contemporary English
Cambridge Dictionary
Collins English Dictionary
Merriam-Webster Dictionary
American Heritage Dictionary
などに掲載されている「例文」や、文法上又は語法上の「解説」「注意書き」を参考にしながら、日本人の学習者にとって特に必要だと思われる事項を厳選して、問題や解説等を作成することを編集の大きな方針としています。学校の定期テストや大学入試、各種の英語検定試験はもちろん、ビジネスの第一線でもきちんと通用する内容のものを厳選して掲載していきます。

言語は生き物です。時代とともにその意味や語法が変化することがあります。ある語法を巡って、英語を母語とする人たちや英文法の専門家の間で「どちらの用法が正しいのか」について意見が割れることがあります。いくつか、例を挙げてみましょう。

She is taller than me. 彼女は私より背が高いです。
上の文は、正しい英文でしょうか。
保守的な文法家であれば、上の文は「間違っている」というでしょう。なぜなら、彼らは、thanは、本来接続詞であって、前置詞のような使い方はできないと考えているからです。彼らは、”She is taller than I (am).”が正しい英文だといって、譲らないかもしれません。ところが、thanを前置詞のように使って、”than me”とする言い方は、現代英語、とくに口語英語(informal English, spoken English)では普通であって、逆に、”than I”といえば、相手が目を丸くするかもしれません。ちなみに、”You’re stronger than I.”とはいわない、と明記している辞典(Cambridge Dictionary)もあります(”You’re stronger than me.”が正しい)

「懸垂分詞」(dangling participle)というものがあります。次の例文を見てください。これは、正しい英文でしょうか?
While walking home, my smart phone rang suddenly. 家に向かって歩いてると、突然スマホが鳴った。
例文中の”walking”が懸垂分詞なのですが、ほとんどの文法家は、「懸垂分詞は正しくない(誤用だ)」と言っています。しかし、実際には、新聞や学術論文、裁判所の判決文などの中でもときおり見られるもので、「誤解を与えない限り使用しても構わない」という認識も一方ではあるようです。ちなみに、例文を文法的に正確にいうと、
While I was walking home, my smart phone rang suddenly.
となります。

もう一つ、例を挙げましょう。「分離不定詞」(split infinitive)と呼ばれているものがあります。これは、to不定詞、つまり、”to+動詞の原形”to”動詞の原形の間に副詞が割り込んで、”to”動詞の原形を「分離」(split)してしまうものです。例えば、
to easily win”(簡単に勝つ)
to strongly deny the report”(その報道を強く否定する)
などです。
この分離不定詞については、”incorrect English”(正しくない英語)とか、”bad English style”(悪い英語のスタイル)と考える人(文法学者を含めて)が多くいますが、こちらも、実際には、しばしば見受けられる形です。”becoming generally acceptable”(徐々に受け入れられつつある)とも言えるでしょう。

『英語の学び場』では、上述したような、識者の中でも意見が分かれる文法事項(その成否は学者の議論や時代の流れに任せるとして)については、あまり深入りしません。あくまで、「実践的に(実際的に)通用する文法力を身に着ける」という視点から、厳選した問題と解説を掲載していきます。