キャラクター商品化ビジネスにおける権利処理

商品化権とは?商品化権許諾契約とは?

キャラクター商品化ビジネスにおける権利処理の要は、なんと言っても、「(キャラクター)商品化権許諾契約」の締結です。昨今では、さまざまなキャラクターがさまざまな商品やサービスに利用されていますが、ここで詳細に語るまでもなく、今や「ゆるキャラ」なる「ご当地キャラ」が各地に出没し、その商品化の旺盛なことは一種のブームと言ってもよいでしょう。
「キャラクター」といえば、以前は、「マンガ(漫画)」から登場するヒーローやヒロインの類が多かったと思います。しかし、今では、マンガのみならず、映画やアニメ、ゲームソフトからもさまざまな「キャラ」が登場しています。ゲームソフトの登場人物の人気キャラがフィギア化(これも一種の商品化です)されて、一部のマニア向けに販売されているケースもあります。

「商品化権」という用語は、実は、著作権法のはじめとして、他の知的財産関係法令のどこにも出てきません。つまり、現在のわが国も法令上「商品化権」なる「権利」は明文では規定されていないのです。それにもかかわらず、世に「キャラクター商品化権ライセンス契約書」といった表題の契約書は現に存在し、私もこれまでにこの種の契約書を何十件も起草しています。
あるキャラクターを一定の商品やサービスに利用することに関する一種の財産的な権利を、英米では、”Merchandising Rights”(マーチャンダイジング・ライツ)=「商品化権」と呼んでいます。そして、この「商品化権」に基づき、商品化権者(ライセンサー)が、一定の商品の販売や役務の提供の促進、企業イメージの向上等を欲する第三者(ライセンシー)に対し、自己が管理するキャラクターの利用を許諾する契約が結ばれます。これが、「商品化権許諾契約」です。

商品化権許諾契約書を作成する際の留意事項

あるキャラクターについてその「利用」を許諾する場合、「キャラクター」(ここでいう「キャラクター」とは、「具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念」(最高裁判例)を意味するのではなく、美術的に具体的に表現されているものを意味します)は、ほとんどの場合、著作権法上の「著作物」に該当します。したがって、コンテンツビジネスにおける「キャラクター」は、通例、「著作権」によって保護されることになります。そのため、あるキャラクターの一定の「利用」を許諾することに主眼が置かれる「商品化権許諾契約」において検討すべき中心は、「著作権法」によって規制される「利用態様」ということになります。

商品化権許諾契約は、実際には、キャラクターを所有し、管理しているライセンサーの側であらかじめ契約書のひな形を作成しておき、利用態様や対象商品等に応じてその都度若干の修正を加えた上でライセンシー希望者に当該契約書を提示して、その同意を求めて契約を締結するのが通常の流れです。実務上、このような附合契約的な性質から、ライセンサーの取引上・契約交渉上の力が強く、ライセンシー側からは、契約条件についてほとんど交渉の余地がないのが一般的です。そのため、ライセンシーとしては、提示された契約条件を十分に理解した上で、「この条件で本当にこのキャラクターを自社で利用する価値があるのか」をもう一度自問し、これを精査する必要があります。一方、ライセンサーとしては、当該キャラクターが持つ「世界観」や「物語性」を含めて、そのイメージが損なわれることがないよう、将来的な戦略も踏まえて、長期的な視点(「キャラクターを育てていく」という視点)から、各契約条項を検討することになります。
商品化権許諾契約における一般的な検討項目は、おおむね、次のとおりです:

商品化権の対象となる「キャラクター」が特定されているか、
いかなる利用態様を許諾するか、その範囲が特定されているか、
対象商品又は対象サービスの範囲は妥当か、その範囲が特定されているか、
テリトリー(許諾地域)をどうするか、その範囲が特定されているか、
契約期間(許諾の有効期間)をどうするか、
ロイヤリティーの率、その算定方法・支払方法をどうするか、これらを担保する手段が講じられているか、
著作権表示をどうするか、
キャラクターのイメージ(世界観・物語性等)を損なう行為を禁止する手段が講じられているか、
商標法や意匠法等の規定を考慮する必要があるか、
など。





     Kaneda Copyright Agency
     カネダ著作権事務所


      Home  メール相談  契約マネジメント  文化庁登録マネジメント  侵害対応マネジメントその他
      アメリカ著作権局登録マネジメント  著作権判例エッセンス