コンテンツビジネスと下請法(3)

≪「親事業者」・「下請事業者」とは?

次に、下請法で「製造委託等」と並んで重要なキーワードである「親事業者」・「下請事業者」につて解説します。
下請法では、取引を発注(委託)する事業者の資本金、仕事を受注する事業者の資本金等によって「親事業者」・「下請事業者」を定義し、取引内容に応じて規定されている「資本金区分」(下記パターン参照)に該当する場合に、当該取引を下請法の規制対象となる下請取引としています(法2条7項8項参照)。

【パターンA】…「製造委託」・「修理委託」・「情報成果物(プログラムに限る。)作成委託」・「役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管、情報処理に限る。)」
[パターンA-1]
【親事業者:資本金3億円超の法人】→【下請事業者:個人又は資本金3億円以下の法人】
[パターンA-2]
【親事業者:資本金1,000万円超3億円以下の法人】→【下請事業者:個人又は資本金1,000万円以下の法人】

【パターンB】…「情報成果物(プログラムを除く。)作成委託」・「役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管、情報処理を除く。)」
[パターンB-1]
【親事業者:資本金5,000万円超の法人】→【下請事業者:個人又は資本金5,000万円以下の法人】
[パターンB-2]
【親事業者:資本金1,000万円超5,000万円以下の法人】→【下請事業者:個人又は資本金1,000万円以下の法人】

親事業者には、4つの遵守義務が課せられています≫

下請取引に当たっては、「親事業者」には、次の4つの遵守義務があります。
なお、「親事業者」には、受領拒否の禁止、下請代金の減額の禁止等、11項目にわたる禁止行為が定められています。これらについては、後述します。

[1] 発注書面(注文書)の交付義務(法3条)

親事業者の違反行為の未然防止及び口頭発注によるトラブルを未然に防止するため、親事業者は、発注に当たっては、原則として、下請事業者に対し、直ちに、発注内容に関する具体的な記載事項(下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項)を記した書面(いわゆる「3条書面」)を下請事業者に交付しなければなりません。もっとも、親事業者は、所定の要件を満たす場合には、3条書面の交付に代えて、下請事業者の承諾を得て、電子メール等の形式で所定の事項を提供することができ、この場合には、当該親事業者は、3条書面を交付したものとみなされます(3条2項)。
なお、3条書面を交付しなかった場合には、その違反行為をした親事業者の代表者等に、50万円以下の罰金が科せられます(10条)。

[2] 取引記録の書類の作成・保存義務(法5条)

下請取引が完了した場合、親事業者は、下請事業者の給付内容、支払った下請代金の額、支払った日及び支払手段など、当該下請取引に関する記録を書面として作成し、これを2年間保存しなければなりません。
上記の取引記録の書類の作成・保存義務に違反した場合には、その違反行為をした親事業者の代表者等に、50万円以下の罰金が科せられます(10条)。

[3] 下請代金の支払期日を定める義務(法2条の2)

支払期日の不当な変更や支払遅延により、下請事業者の経営が不安定になることを防止するために、親事業者は、下請事業者との合意によって、下請代金の支払期日を事前に定めることが予定されています。この場合、下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日)から60日以内で、かつ、できる限り短い期間になるように定められなければなりません。

[4] 支払が遅れた場合の遅延利息の支払義務(法4条の2)

親事業者が下請代金の支払期日までに下請代金を支払わなかった場合には、下請事業者に対し、下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日)から起算して60日を経過した日から実際に支払いが行われる日までの期間について、その日数に応じ、当該未払金額に年率14.6%を乗じた金額を遅延利息として支払わなければなりません

コンテンツビジネスと下請法(4)に続く・・・




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