口述権(条文解説)

「口述権」は、著作者が享有する「著作権」の一支分権です(法17条1項参照)。
この点、法は、「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。」と規定しています(法24条)。本条は、言語の著作物の著作者が、当該著作物を公に口述する排他独占的権利を有する旨を規定したものです。

「口述」とは、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)」をいいます(法2条1項18号)。例えば、小説や詩を公衆の面前で朗読する場合などが典型的な「口述」に該当します。また、「口述」には、生の朗読等だけでなく、口述をCD・テープ等に録音したものを再生することなども含むとされています(2条7項)。したがって、例えば、他人の講義を録音したものや英会話テキストのCDを著作権者に無断で公に再生して聞かせる行為は、原則としてこの口述権の侵害に当たります。
「口述権」は、言語の著作物を「公に」口述する場合に著作者に認められる権利です。「公に」というのは、著作権法では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」という意味で統一して使われています。ここで、「公衆」とは、不特定の者又は特定多数の者をいいます(法2条5項参照)。この定義から、著作権法上、「特定少数」は「公衆」に該当しないため、家庭内やそれに準ずるごく限られた友人間におけるような「特定少数」に対する口述には、そもそも口述権は及ばないことになります。
なお、言語の著作物を口頭で伝達する際にその者の演技が加わる(例えば、「講談」や「落語」など)と、それは「口演」となり、上演権(法22条)の射程範囲に入ります。



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