その他の刑事罰(法121条の解説)

121条は次のように規定しています:「著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物(原著作物の著作者でない者の実名又は周知の変名を原著作物の著作者名として表示した二次的著作物の複製物を含む。)を頒布した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」

上記の規定は、著作者名を偽って著作物の複製物を頒布する行為について、これを、公衆を欺く欺瞞的行為としての犯罪として捉え、その刑罰を定めたものです。
氏名表示権(19条1項)との関係については、真実に即した著作者の氏名表示を担保することは(著作者の人格的利益を保護するだけでなく)公益上の利益にもつながることから、氏名表示権の侵害行為となりうる頒布行為について、公衆を欺くものとして刑事罰の対象となり得ることを明記した規定と捉えることもできます。
「著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した」とは、例えば、他人の著作物の複製物に自分の氏名(実名)を著作者名として表示した場合や、自己の著作物の複製物に有名人や著名人の芸名を著作者名として表示した場合などがこれに該当します。なお、前者については、氏名表示権の侵害問題も発生します。
本条によって刑罰を科されうる者は、著作者名が詐称された著作物の複製物であることを知りつつ、故意にこれを「頒布」(法2条1項19号参照)した者です。したがって、事情を知らずに頒布した者や、「頒布」行為には一切関わらず、ただ表示行為あるいは複製行為にだけ関与した者は、本条による処罰の対象外です(もっとも、その関与の程度によっては、共同正犯等と評価される場合はあるでしょう)。



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