建築の著作物(architectural works

わが国の著作権法(10条)と同様に、アメリカ著作権法においても、具体的な著作物の例示規定が置かれています(102条(a))。これによれば、著作権(copyright)の対象となる「著作者の作成に係るオリジナルの著作物」(original works of authorshipには、次に掲げるカテゴリーのものを含むとしています。
なお、以下のカテゴリーはあくまで例示的列挙であって、これら以外のものの著作物性を否定する趣旨ではないことはわが国と同様です。
① 言語の著作物(literary works
② 音楽の著作物(これに伴う歌詞を含む。)(musical works, including any accompanying words
③ 演劇の著作物(これに伴う音楽を含む。)(dramatic works, including any accompanying music
④ 無言劇及び舞踊の著作物(pantomimes and choreographic works
⑤ 絵画、図形及び彫刻の著作物(pictorial, graphic, and sculptural works
⑥ 映画及びその他の視聴覚著作物(motion pictures and other audiovisual works
⑦ 録音物(sound recordings
⑧ 建築の著作物(architectural works

上述のように「建築の著作物」が著作権の対象となる著作物の1つとして明記されています。もっとも、「建築の著作物」は、当初から著作権の保護客体とされていたわけではなく、1990年12月1日に(著作権法の改正によって)あらたに保護客体に追加されました。

「建築の著作物」とは、「建築物、建築設計図、又は図面を含めて、何らかの有形的表現媒体に収録される建築物のデザイン」(the design of a building as embodied in any tangible medium of expression, including a building, architectural plans, or drawings)をいいます(101条)。そのデザインにおける、空間と要素の配列及び構成のみならず、その全体的形状を含むが、個々の標準的な特徴を含まないとされています(The (architectural) work includes the overall form as well as the arrangement and composition of spaces and elements in the design, but does not include individual standard features.)。スタンダードな(標準的な)空間の配置、窓やドアなど建物を建てる際の主要な部品の個々のスタンダードな特徴、デザインや配置が実用性の問題から決まってしまうような機能上の要素には、「建築の著作物」に対する著作権は及びません。
なお、連邦規則(Code of Federal Regulations : CFR)には、「建築物」という用語は、人が住むのに適しており、かつ、永続性及び定住性の両方を意図して建造される構造物を意味し、例えば、住宅、オフィスビルその他人が居住するために設計される永続性と定住性を兼ね備えた建造物のことで、教会、博物館、望楼(見晴らし台)及びガーデンパビリオン(公園内に設置される休憩所)を含むが、これらに限定されない(The term building means humanly habitable structures that are intended to be both permanent and stationary, such as houses and office buildings, and other permanent and stationary structures designed for human occupancy, including but not limited to churches, museums, gazebos, and garden pavilions.)、とする規則があります(CFR202.11(b)(2))。
※橋、クローバー型立体交差点、ダム、歩道、テント、キャンピングカー、(トレーラー式の)移動住居、船舶などの構造物は、「建築の著作物」に該当しないものとして扱っているようです(CFR202.11(d)(1)参照)。

わが国では、美術的な建築物(建物自体)のみが「建築の著作物」(著作権法10条1項5号)の範疇に入り、「建築設計図」は「図形の著作物」(同6号)に該当しますが、アメリカでは、どちらも「建築の著作物」のカテゴリーに入ります。




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