[c003]著作権の帰属を明記していない募集広告によって著作権は移転するか
平成11年9月30日東京高等裁判所[平成11(ネ)1150]

【コメント】
本件は、一審原告が、自ら執筆した書籍(原告書籍)に掲載した古文単語と現代訳語とを結合して一連の意味のある語句や文章にした語呂合わせ(原告語呂合わせ)が一つ一つ創作性を有する著作物であり、一審被告が執筆した書籍(被告書籍)に掲載された語呂合わせ(被告語呂合わせ)は、それぞれ右原告語呂合わせと実質的に同一又は類似であり、原告語呂合わせに依拠して作成されたものであるから、一審原告の有する著作権(複製権、翻案権)及び著作者人格権)を侵害するとして、一審被告に対し、財産権損害及び慰藉料を請求したものです。

【裁判所の判断】
原告語呂合わせ21につき、原告は、【C】から著作権を譲り受けた旨主張し、その根拠として、原告語呂合わせ21は、一審原告が著作した受験参考書に掲載した「ごろあわせ募集広告」に応じて寄せられた作品の中から適当なものを選び、改訂時に語呂合わせと作者名を掲載しているものであるが、広告の文面及び一審原告の出版物がいずれも受験参考書であることを考慮すれば、応募者は受験の記念として掲載を望むのみであり、著作権等については一審原告に無償で譲渡する意思であると解するのが、当事者の意思の合理的解釈である旨主張する。
(証拠等)によれば、一審原告は、自己の著作した古文の受験参考書に、∧あなたもゴロあわせを作ってこの本にのせよう∨自分で工夫した単語の覚え方を下記までお送りください。採用作品はあなたの作品であることを明記しこの本にのせます。なお、採用された方にはあなたの作品がのったこの本を郵送します。」との広告を掲載 し、【C】もこの広告に応じて自己の創作した原告語呂合わせ21を一審原告に送付したことが認められるが、右広告には、応募作品の著作権は一審原告に帰属する旨を明記した記載はなく、また、右募集広告の文言のみから、原告書籍三に掲載された投稿作品の著作権を一審原告に帰属させる旨の合意が成立したものと認めることはできない
したがって、原告語呂合わせ21の著作権侵害を理由とする一審原告の請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。

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