[c015]譲渡契約の解除と著作権の復帰(2)
平成21年10月22日東京地方裁判所[平成19(ワ)28131]≫

【コメント】
本件は,原告らが,被告に対し,原告有限会社ラバーソウルが別紙楽曲目録記載の各楽曲の著作権を有することの確認を求めるとともに,被告との間の契約ないし不当利得返還請求権に基づき,被告に対し,原告らが所定の金員の支払をそれぞれ求めた事案です。
GLAYメンバーらは,被告との間で,平成10年6月1日付け専属契約(「本件専属契約」)を締結しました。さらに,GLAYメンバーらは,本件専属契約期間中に作詞・作曲を行った本件楽曲について,被告との間で,楽曲ごとに著作権譲渡契約(「本件著作権譲渡契約」)を締結しました。本件著作権譲渡契約は,①GLAYメンバーらが,被告に対し,本件楽曲に係る著作権を譲渡すること,②被告が,原告エクストリーム(GLAYのメンバーのうちBが代表者),原告パイロッツ(GLAYのメンバーのうちCが代表者),原告スパイク(GLAYのメンバーのうちDが代表者)及び原告ストロー(GLAYのメンバーのうちEが代表者)に対し,社団法人日本音楽著作権協会から被告に支払われる著作権印税のうち,出版社取分3分の1を控除した3分の2(66.6%)を支払うことを内容としていました。ところが,被告は,平成17年5月から,原告らに対する著作権印税の支払を怠るようになり,原告らは,平成17年10月18日,被告に対し,未払著作権印税の支払を催告しました。その催告にもかかわらず,被告が未払著作権印税を支払わなかったので,GLAYメンバーらは,平成17年11月9日,被告に対し,履行遅滞により本件著作権譲渡契約を解除する旨の意思表示をしました。GLAYメンバーらは,同月15日,被告に対し,上記解除の通知の記載から漏れていた別紙楽曲目録記載147の楽曲について,本件著作権譲渡契約を解除する旨の意思表示をしました(以下,平成17年11月9日の上記解除の意思表示と併せ「本件解除」という)。

【裁判所の判断】
本件解除後の本件楽曲に係る著作権の帰属について
(証拠等)によれば,本件著作権譲渡契約においては,「乙(判決注・被告)がこの契約の条項に違反した場合には,甲(判決注・著作権譲渡人。例えば,甲7では,B)は,20日間の期間を定めた文書により,契約上の義務履行を催告し,その期間内に履行されないときは,この契約を解除すること,・・・ができるものとします。」(甲7の第19条(1)参照),「契約期間の満了または契約の解除によりこの契約が終了した場合には,本件著作権は,当然甲(判決注・著作権譲渡人)に帰属するものとします。」(甲7の第21条参照)との旨が約定されていたこと,本件楽曲の各作詞・作曲者(GLAYメンバーら)は,原告エクストリーム,原告パイロッツ,原告スパイク又は原告ストローに対し,本件楽曲に係る著作権を譲渡する旨の合意をしたこと,原告エクストリーム,原告パイロッツ,原告スパイク及び原告ストローは,平成17年11月7日,原告ラバーソウルに対し,本件楽曲に係る著作権を譲渡する旨の合意をしたことが認められる。
(略)
上記によれば,本件著作権譲渡契約は,被告の著作権印税の支払債務の履行遅滞により有効に解除され,これにより,本件楽曲の著作権は,本件著作権譲渡契約における譲渡人(GLAYメンバーら)に帰属した上で,GLAYメンバーらから原告エクストリーム,原告パイロッツ,原告スパイク又は原告ストローに対し,次いで,同原告らから原告ラバーソウルに対し,順次譲渡されたのであるから,原告らの本訴請求のうち,原告らと被告との間で,原告ラバーソウルが本件楽曲の著作権を有することの確認を求める部分は理由がある。

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