[e066]職務著作の該当性(1

「法人等の発意」の要件については,法人等が著作物の作成を企画,構想し,業務に従事する者に具体的に作成を命じる場合,あるいは,業務に従事する者が法人等の承諾を得て著作物を作成する場合には,法人等の発意があるとすることに異論はないところであるが,さらに,法人等と業務に従事する者との間に雇用関係があり,法人等の業務計画に従って,業務に従事する者が所定の職務を遂行している場合には,法人等の具体的な指示あるいは承諾がなくとも,業務に従事する者の職務の遂行上,当該著作物の作成が予定又は予期される限り,「法人等の発意」の要件を満たすと解するのが相当である。
平成18年12月26日知的財産高等裁判所[平成18(ネ)10003]

法人等が著作物の作成を企画,構想し,業務に従事する者に具体的に作成を命じる場合,あるいは,業務に従事する者が法人等の承諾を得て著作物を作成する場合には,法人等の発意があるとすることに異論はないところであるが,さらに,法人等と業務に従事する者との間に雇用関係があり,法人等の業務計画や法人等が第三者との間で締結した契約等に従って,業務に従事する者が所定の職務を遂行している場合には,法人等の具体的な指示あるいは承諾がなくとも,業務に従事する者の職務の遂行上,当該著作物の作成が予定又は予期される限り,「法人等の発意」の要件を満たすものと解すべきである。
平成22年08月04日知的財産高等裁判所[平成22(ネ)10029]

「法人等の発意」があったというためには,著作物作成に向けた意思が直接又は間接に法人等の判断にかかっていればよいと解すべきであり,明示の発意がなくとも,黙示の発意があれば足りるものというべきである。
平成20年07月22日大阪地方裁判所[平成19(ワ)11502]≫

「発意」については,法人等の使用者の自発的意思に基づき,従業員に対して個別具体的な命令がされたような場合のみならず,当該雇用関係等から外形的に観察して,法人等の使用者の包括的,間接的な意図の下に創作が行われたと評価できる場合も含まれるものと解すべきである。
平成20年06月25日東京地方裁判所[平成19(ワ)33577]

著作権法15条1項にいう「法人等の発意に基づく」とは,当該著作物を創作することについての意思決定が,直接又は間接に法人等の判断により行われていることを意味すると解され,発案者ないし提案者が誰であるかによって,法人等の発意に基づくか否かが定まるものではない。つまり,本件対策問題集の制作が原告の判断で行われたのであれば,「原告の発意に基づく」といえるのであって,最初に作成を思いついた人物や企画を出した人物が,(だれ)であったかは,この点を左右しない。
平成24年02月16日大阪地方裁判所[平成21(ワ)18463]

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