[e069]職務著作の該当性(5

法人著作の右要件を満たすならば、原則として法人著作が成立するのであり、契約、勤務規則その他に法人著作が成立することを妨げる別段の定めは、法人著作が成立しないことを主張する者が、主張立証しなければならないのである。
平成12年10月26日東京高等裁判所[平成11(ネ)5784]

原告が,被告東亜に就職した時点又はその前後に,被告東亜の代表者のBとの間で,原告が被告東亜に在職中に撮影した写真につき,原告がその著作者となる旨を合意したことを認めるに足りる証拠はない。
そもそも,被告東亜のような,写真や書籍等の制作を業とする法人等においては,制作した著作物の著作者が誰であるか,著作権が誰に帰属するかという事柄は,極めて重要なものであって,仮に制作後に差止め請求等を受けるときは,投下した資金等が無駄になることがあるのみならず,納入先ないし販売先等にも重大な営業上の悪影響ないし経済的損失を被らせる事態を生じさせる可能性があるものであって,従業員等がその職務上作成した著作物について著作者となる余地を残すとき等には,就業規則等に盛り込んだり,契約書等の書面を作成して,その合意内容を明確にするのが通常である。
しかるに,本件全証拠によっても,原告が被告東亜との間で,原告が在職中に職務上作成した写真につき,その著作者を原告とする旨の契約書等を作成したことを認めることはできない。
むしろ,反対に,前記のとおり,原告が被告東亜に就職する以前から,被告東亜の就業規則においては,従業員がその職務上作成した著作物の著作権は被告東亜に帰属する旨が定められていたのであって,上記著作物に係る被告東亜の社内における方針は,著作権法
15条1項の原則のとおり,著作者を被告東亜とするものであったということができる。
平成20年09月24日那覇地方裁判所[平成19(ワ)347]

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