[e072]著作物の創作性

ある表現物を創作したというためには,対象となる表現物の形成に当たって,自己の思想又は感情を創作的に表現したと評価される程度の活動を行ったことが必要であり,当該表現物において,その者の思想又は感情を創作的に表現したと評価される程度に至っていない場合には,法上の創作には当たらない,言い換えると,著作物性を有しないものと解すべきである。
平成18年12月26日知的財産高等裁判所[平成18(ネ)10003]

「創作」とは「模倣」でないことを意味するものと解すべきである。
昭和47年10月11日東京地方裁判所[昭和44(ワ)9353]≫

著作物の創作性は当該著作物が著作者の独自の創意工夫により著作されたか否かにあり、その表現形式等において先人の影響が存したからといつて直ちにこれを否定されるべきではなく、具体的著作物がその模写ではなくそこに知的創造活動が認められるときは、その著作物に創作性を肯定すべきものと解するのが相当である(したがつて、著作権における創作性は相対的なものであり、工業所有権における創作性の如く新規性すなわち絶対的な独創性を要しないといわねばならない)。
昭和54年07月09日神戸地方裁判所姫路支部[昭和49(ワ)291]≫

「創作性」については、いわゆる完全なる無から有を生じさせるといつた厳格な意味での独創性とは異なり、著作物の外部的表現形式に著作者の個性が現われていればそれで十分であると考えられる。
昭和59年09月28日東京地方裁判所[昭和56(ワ)8371]

「創作的に表現したもの」とは、厳格な意味での独創性があるとか他に類例がないとかが要求されているわけではな(い。)
昭和62年02月19日東京高等裁判所[昭和61(ネ)833]

著作物と認めるためのものとして要求すべき「創作性」の程度については,例えば,これを独創性ないし創造性があることというように高度のものとして解釈すると,著作権による保護の範囲を不当に限定することになりかねず,表現の保護のために不十分であり,さらに,創作性の程度は,正確な客観的判定には極めてなじみにくいものであるから,必要な程度に達しているか否かにつき,判断者によって判断が分かれ,結論が恣意的になるおそれが大きい。このような点を考慮するならば,著作物性が認められるための創作性の要件は厳格に解釈すべきではなく,むしろ,表現者の個性が何らかの形で発揮されていれば足りるという程度に,緩やかに解釈し,具体的な著作物性の判断に当たっては,決まり文句による時候のあいさつなど,創作性がないことが明らかである場合を除いては,著作物性を認める方向で判断するのが相当である。
平成14年10月29日東京高等裁判所[平成14(ネ)2887]

確かに,一つのまとまりのある著作物を細分化し,その各部分がアイデアないしありふれた表現にすぎないとして,全体としての創作性を否定することは誤りである。しかしながら,一つのまとまりのある著作物の創作性を判断するに当たり,その構成部分まで分解し,それぞれの構成部分を逐一考察して,創作性の有無程度を検討することは正当な分析方法である。
平成16年11月24日東京高等裁判所[平成14(ネ)6311]

著作物の創作的表現は,様々な創作的要素が集積して成り立っているものであるから,原告作品と被告作品の共通部分が表現といえるか否か,また表現上の創作性を有するか否かを判断する際に,その構成要素を分析し,それぞれについて,表現といえるか否か,また表現上の創作性を有するか否かを検討することは,有益であり,かつ必要なことであって,その上で,作品全体又は侵害が主張されている部分全体について,表現といえるか否か,また表現上の創作性を有するか否かを判断することは,正当な判断手法ということができる。
平成24年08月08日知的財産高等裁判所[平成24(ネ)10027]

著作権法における「創作性」とは、厳密な意味での独創性や新規性が要求されるわけではなく、思想又は感情の外部的表現に著作者の個性が何らかの形で現れていれば足りるものと解されるが、他方、一定のアイデアを表現すれば誰が著作しても同様の表現になるようなものは、創作的な表現とはいえない。
平成10年05月29日東京地方裁判所[平成7(ワ)5273]

「創作的」とは、何らかの知的活動の成果であって、思想又は感情を表現する具体的形式に作成者の個性が現れたものであれば足り、厳格な意味で独創性の発揮されたものであることは必要ないが、アイデアそれ自体は著作権法による保護の対象とはならないし、データや事実を機械的に記載したにすぎないもの、誰が作成しても同様の表現となるようなありふれた表現のものは、創作性を欠き、著作権の保護の対象である著作物たり得ないというべきである。
平成14年03月12日大阪地方裁判所[平成13(ワ)12680]

本件著作物の一部分に既存の名称,ごく短い文章,他の表現形式が想定できない文章,平凡かつありふれた表現から成る文章があるとしても,このことは,多数の語句及び文章が不可分一体のものとして一個の著作物を構成している場合において,当該著作物の創作性を否定する根拠となるものではない。
平成15年07月18日東京高等裁判所[平成14(ネ)3136]

創作性は,人間の知的活動の成果として,著作者個人の工夫した表現について認められると解される。したがって,既存の著作物に基づいてそのまま機械的に表現した物及び既存の著作物と同一性を保ちつつこれに多少の修正,増減等を加えた物は,著作権法上,既存の著作物を有形的に再製した複製物(同法
2条1項15号)に該当するから,これらの物に創作性を認めることはできない。
平成20年01月31日仙台地方裁判所[平成15(ワ)683]

「創作的に表現した」というためには,当該成果物が,厳密な意味で独創性が発揮されていることは必要でなく,作成者の個性が表れたものであれば足りるというべきであるが,既存の著作物に依拠し,これと同一のものを作成し,又は,具体的表現に修正,増減,変更等を加えても,新たに思想又は感情を創作的に表現することなく,既存の著作物と実質的に同一のものを作成したにすぎないものは,既存の著作物の複製物であって,作成者の個性が発揮されたものとはいえないから,創作的な表現とは認められない。
平成27年12月25日東京地方裁判所[平成27(ワ)6058]≫

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