[e090]映画の著作物の著作者

以上の事実を総合すると,被告は,本件著作物1について,本件企画書の作成から,映画の完成に至るまでの全製作過程に関与し,具体的かつ詳細な指示をして,最終決定をしているのであって,本件著作物の全体的形成に創作的に寄与したといえる。
平成14年03月25日東京地方裁判所[平成11(ワ)20820]
【コメント】
「被告の寄与の程度」について、次の①~⑪のカテゴリーで事実認定をした上で、上記のように結論づけました:①「本件著作物1製作の契機及び本件企画書の作成」②「製作体制の確立,スタッフの選定」③「原告の起用」④「基本設定書等の作成」⑤「シナリオの作成」⑥「設定デザイン,美術,キャラクターデザイン」⑦「絵コンテ」⑧「作画」⑨「撮影・現像・オールラッシュ試写」⑩「編集」⑪「音楽,録音(アフレコ)」
一方、「原告の寄与に関する結論」として、「原告は,本件著作物1の製作について,設定デザイン,美術,キャラクターデザインの一部の作成に関与したけれども,原告の関与は,被告の製作意図を忠実に反映したものであって,本件著作物の製作過程を統轄し,細部に亘って製作スタッフに対し指示や指導をしたというものではないから,原告は,本件著作物1の全体的形成に創作的に寄与したということはできない。」としました。

著作権法16条本文は,「映画の著作物の著作者は,その映画の著作物において翻案され,又は複製された小説,脚本,音楽その他の著作物の著作者を除き,制作,監督,演出,撮影,美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする」と規定しているところ,同規定の趣旨は,映画の著作物において翻案され,又は複製された小説,脚本,音楽その他の著作物の著作者(いわゆるクラシカル・オーサー)については,映画の著作物の著作者とは別個に映画の著作物について権利行使することができることをいうものと解すべきである。
平成17年08月30日知的財産高等裁判所[平成17(ネ)10009等]≫


原告は,本件映像の撮影に当たり,讀賣テレビの担当者との間で一度ないし複数回の打合せを行ったことが推測できるが,本件映像において,原告はあくまでインタビュー対象にすぎず,本件映像の全体的形成に創作的に寄与したということはできないから,映画の著作物である本件映像全体について,原告が著作者又は共同著作者であるということはできない。
平成23年10月28日京都地方裁判所[平成21(ワ)3642]

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