[e094]その他個別事例にみる二次的著作物性

和臭の変体漢文を訓読するについては、原典が成立した年代、その時代の用語、文法、当時の政治的、経済的、社会的背景、原著作者の地位身分、写本成立の年次、その伝来の系統、写本作成者の学殖等原典の文意を解釈するについての諸条件を考究し、この研究の結果から訓読者が解釈した原典の文意を、あるいは原典の成立した時代の読み方に近付けて書き表わし、あるいは現代人に理解できる文章に書き改めることが必要であるが、この作業の各々について、訓読者各自の諸般にわたる学識、文章理解力、表現力の差異等により、訓読者各自の個性の表現ともいうべき異なつた結果が生じるものであり、本件訓読文は、これに先立つて公表されている「将門記」についての他の訓読文と比較すれば、幾多の点で相違し、原告の学識経験に基づく独自の訓読文として完成されている。
以上の事実が認められ、これを覆えすに足る証拠はない。
右認定の事実によれば、本件訓読文は、「真福寺本」による「将門記」を原著作物とし、その内面形式を維持しつつ、原告の創意に基づきこれに新たな具体的表現を与えたものであつて、著作権法第
2条第1項第11号の規定にいう著作物を翻案することにより創作した著作物に該当すると解して何の差支えもない。
昭和57年03月08日東京地方裁判所[昭和51(ワ)8446]≫


本件人形の形態は、キューピーイラストの有する上記表現上の特徴をすべて具備していることに加え、これを変形して立体的に表現したという点において新たな創作性が付与されたものと認められる。したがって、本件著作物は、ローズ・オニールがその制作に先立って創作したキューピーイラストの二次的著作物として創作性を有するというべきである。
平成13年05月30日東京高等裁判所[平成11(ネ)6345]

本件写真集に掲載された本件各人形の写真は,本件各人形の形状・色彩等をただ単に写真の形式を借りて平面的に改めたものではなく,Aらにおいて,被写体として選択した本件各人形ごとに構図,カメラアングル,背景,照明等の組合せを選択,調整するなど,さまざまなアイデア,工夫を凝らして撮影し,作品として完成したものであり,正に,撮影者であるAらの思想又は感情を創作的に表現したものであるから,二次的著作物としての創作性が認められることに疑いを入れる余地はない。
平成19年07月25日知的財産高等裁判所[平成19(ネ)10022]≫


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