[e130]41条の意義と解釈

著作権法41条は,時事の事件を報道する場合には,その事件を構成する著作物を報道することが報道目的上当然に必要であり,また,その事件中に出現する著作物を報道に伴って利用する結果が避け難いことに鑑み,これらの利用を報道の目的上正当な範囲内において認めたものである。このような同条の趣旨に加え,同条は「写真,映画,放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合」と規定するのであるから,同条の適用対象は報道を行う者であって,報道の対象者は含まれないと解するのが相当である。
そうすると,被告は,本件記者会見を行ったことが認められるものの,本件記者会見についての報道を行った者ではないから,著作権法41条の適用はないというべきである。
平成24年09月28日東京地方裁判所[平成23(ワ)9722]

右記事は、優れた作品が所蔵されているが、画集でも見ることのできないバーンズコレクションからよりすぐった作品を公開する本件展覧会が平成6年1月から東京の国立西洋美術館で開催されることが前日までに決まったことを中心に、コレクションが公開されるに至ったいきさつ、ワシントン、パリでも公開されること、出品される主な作品とその作家を報道するものであるから、著作権法41条の「時事の事件」の報道に当たるというべきである。そして、本件記事中で、本件展覧会に出品される80点中に含まれる有名画家の作品7点が作品名を挙げて紹介されている中の一つとして本件絵画三が挙げられているから、本件絵画三は、同条の「当該事件を構成する著作物」に当たるものというべきである。また、複製された本件絵画三の大きさが前記の程度であること、右記事全体の大きさとの比較、カラー印刷とはいえ通常の新聞紙という紙質等を考慮すれば、右複製は、同条の「報道の目的上正当な範囲内において」されたものと認められる。よって、右記事中の本件絵画三の利用については、時事の事件の報道のための利用の抗弁は理由がある。
(略)
右記事の内容は、本件展覧会の主催者が前売り券を今日から発売することを告知するもので、当日の出来事の予告ではあるが客観的な報道ではなく、むしろ、好意的に見て主催者からの告知又は挨拶文、とりようによっては被告が主催する本件展覧会の入場券前売り開始の宣伝記事と認められるから、いずれにしても、著作権法
41条の「時事の事件を報道する場合」に当たるということはできないし、本件絵画三の複製が、当該事件を構成し、当該事件の過程において見られ若しくは聞かれる著作物に当たるとも認めることはできない。時事の事件の報道のための利用の抗弁も認められない。
平成10年02月20日東京地方裁判所[平成6(ワ)18591]

本件記事が著作権法41条所定の時事の事件の報道のための利用に該当するかどうかを検討するに,同条所定の利用というためには,本件記事がその構成,内容等に照らして,時事の事件を報道する記事と認められることを要するというべきであるが,本件記事においては,前記認定のとおり,本件映画に関して,「A初ヌード」「『裸乳シーン』も公開で大騒動!」というような各大見出しが付され,本件活版記事にAの3つのヌードシーンを具体的に説明する文章があり,さらに本件写真が本件グラビアの最後の1ページのほぼ全体を使って掲載され「ラブシーンで全裸になるA。」などの記述が付されているのであって,このような本件記事の構成及び内容からみれば,本件記事が主として伝達している内容は,女優Aが本件映画で初めてヌードになっているということに尽きるものであって,本件記事は,読者の性的好奇心を刺激して本誌の購買意欲をかきたてようとの意図で記述されているものといわざるを得ない。そして,本件映画においてAがヌードになっているということが時事の事件の報道に該当しないことは明らかであるから,本件記事への本件写真掲載は,著作権法41条所定の時事の事件の報道のための利用に当たらないというべきである。
平成13年11月08日東京地方裁判所[平成12(ワ)2023]≫

前記認定事実のとおり,本件パンフレットには,「国内オークション史上初,香港オークション開催」の見出しが付けられ,「国内オークション史上初の海外開催となるエスト・ウエスト香港オークション。」との記載があるものの,その他は,開催日時や開催場所に関するものや,本件オークション等の宣伝というべき内容で占められており,被告が「時事の事件」であると主張する初の海外開催という事実に関連する記述は見当たらない。
上記記載の内容に照らすと,本件パンフレットは,被告の開催する本件オークション等の宣伝広告を内容とするものであるというほかなく,時事の事件の報道であるということはできない。
平成21年11月26日東京地方裁判所[平成20(ワ)31480]

被告は言語の著作物である本件講演をインターネット上の配信サイトで配信したものであるから,被告の行為は本件講演に係る各原告の公衆送信権を侵害する行為に該当する。
これに対し,被告は,本件配信は「時事の事件の報道」(著作権法41条)に該当するため原告らの著作権が制限され,公衆送信権侵害は成立しない旨主張する。そこで検討すると,まず,この点に関する被告の前記主張を前提としても,本件講演それ自体が同条にいう「時事の事件」に当たるとみることは困難である。これに加え,同条は,時事の事件を報道する場合には,当該事件を構成する著作物等を「報道の目的上正当な範囲内」において「当該事件の報道に伴って利用する」限りにおいて,当該著作物についての著作権を制限する旨の規定である。本件配信は,約3時間にわたり本件講演の全部を,本件コメントを付して配信するものであるから,同条により許される著作物の利用に当たらないことは明らかである。
平成28年12月15日東京地方裁判所[平成28(ワ)11697]

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