[e138]翻訳物の侵害性

複数の翻訳文が存在する場合、基にした原書が同一である限り、互いに他を複製したものでなくとも、内容や用語自体の多くが同一の表現となることは、むしろ当然ともいえるのであり、右の点に同一の部分があるからといつて、それだけで直ちに両者のどちらかが他を複製したものと認めることはできない(。)
平成3年02月27日東京地方裁判所[昭和59(ワ)11837]≫

以上のように、控訴人翻訳原稿と被控訴人の本件訳書とは、右両者の翻訳に対する基本的態度の根本的な相違を反映して、訳文の基本的構造、語調、語感を大きく異にしているものであり、かかる相違は、その基本的性格の故に、控訴人翻訳原稿に依拠したと推認される部分的訳語、訳文の存在を考慮しても、これによって何らの影響を受けるものではないことは、前記具体例の対比をみれば明らかというべきである。
してみると、本件訳書には、個々の訳語、訳文において、控訴人翻訳原稿に依拠したと推認するのが相当な部分があるとしても、訳書全体を対比するならば、右の依拠した部分は、両訳文間の基本的構造、語調、語感における大きな相違に埋没してしまう結果、本件訳書が控訴人翻訳原稿を全体として、内容及び形体において覚知せしめるものとまではいえない、といわざるを得ない。
平成4年09月24日東京高等裁判所[平成3(ネ)835]≫


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