[e157]著作権の譲渡一般

【譲渡契約の解釈】

本件各契約における権利譲渡条項については,当該条項の文言自体及び本件各契約書中の他の条項のほか,契約当時の社会的な背景事情の下で,当事者の達しようとした経済的又は社会的目的及び業界における慣習等を総合的に考慮して,当事者の意思を探求し解釈すべきものである。
平成19年01月19日東京地方裁判所[平成18(ワ)1769等]≫

本件契約4条の「一切の権利(原告らの著作隣接権を含む)」に実演家の送信可能化権が含まれるか否かについては,契約の解釈の手法に則り,①本件契約の文言,各条項の関係,②契約締結当時における音源配信に関する状況,③契約締結当時における著作権法の規定,④業界の慣行,⑤対価の相当性等の諸事情を総合的に考慮して判断するのが相当である。
平成19年04月27日東京地方裁判所[平成18(ワ)8752等]

【共有著作権の譲渡】

共有著作権者が、その持分を譲渡する際に、他の共有者の同意を得るための努力をしなかったことが、他の共有者において、持分譲渡についての同意を拒否する正当な理由となることがあり得るとしても、そのような努力は、持分譲渡をしようとする共有著作権者に一方的に求められるものではなく、具体的事情の下において、他の共有者にもこれに必要な協力をすることが求められるものであり、持分譲渡をしようとする共有著作権者に要求される努力の内容・程度は、他の共有者におけるこのような協力の有無・程度と相対的な関係をもって定まるものと解するのが相当である。
平成12年04月19日東京高等裁判所[平成11(ネ)6004]

一審原告は,日本法,韓国法のいずれにおいても,いわゆる共作楽曲の著作権の共有持分の信託譲渡については,信託受託者が著作権の円滑な行使を妨げることは考えられないため,他の共有者の同意は不要と解すべきであり,仮にこれが必要であるとしても,著作権等管理事業者の役割に鑑みれば,著作権等管理事業者に対する著作権の共有持分の信託譲渡については,他の共有者の黙示の同意があったと解すべき旨主張する。
しかし,著作権の共有持分の譲渡については,日本,韓国両国において,他の共有者全員の同意が必要とされており(日本国の著作権法
65条1項,韓国の著作権法48条1項),この点は,著作権等管理事業法に基づく著作権の共有持分の信託譲渡であっても,どの著作権等管理事業者にどのような条件で信託譲渡するかにつき全ての共有者が同じ意見であるとは限らないから,共有者の同意が不要であるとか,黙示の同意があったと解することはできないので,一審原告の上記主張は採用することができない。
平成24年02月14日知的財産高等裁判所(平成22(ネ)10024)

【その他】

将来法改正により法定される権利であっても,契約の対象とすることは可能である。しかも,我が国著作権法は,各支分権を例示とせず,限定列挙としたため,新たな利用形態の出現に対応して頻繁に法改正を必要とする。したがって,我が国著作権法の下では,将来法定される支分権を譲渡の対象とすることの必要性は極めて高いものである。
平成19年04月27日東京地方裁判所[平成18(ワ)8752等]

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