[e194]損害の認定

【懲罰的賠償請求の可否】

控訴人は、以上の財産的損害及び精神的損害とは別個に、被控訴人に対し、懲罰的損害の賠償を請求しているが、我が国の法制度においては、民事責任と刑事責任とが峻別されており、民事責任は現実に生じた損害の填補を目的とするものに限られていて、懲罰的損害賠償請求なるものは認められていないから、控訴人の右請求は理由がない。
昭和60年11月14日東京高等裁判所[昭和59(ネ)1446]≫

我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は,被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し,加害者にこれを賠償させることにより,被害者が被った不利益を補てんして,不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり,加害者に対する制裁や,将来における同様の行為の抑止,すなわち一般予防を目的とするものではない。したがって,不法行為の当事者間において,被害者が加害者から,実際に生じた損害の賠償に加えて,制裁及び一般予防を目的とする賠償金の支払を受け得るとすることは,我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相いれないものである(最高裁平成9年7月11日第二小法廷判決参照)。
平成15年07月18日東京地方裁判所[平成14(ワ)27910]

我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者が被った不利益を補填して、不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり、加害者に対する制裁や、将来における同様の行為の抑止を目的とするものでないから、著作権侵害について、使用料相当額の賠償によって、被害者が被った不利益を補填し、不法行為がなかったときの状態に回復させることができるならば、それを超える金額の賠償は、認められないというべきである。
平成17年03月31日大阪地方裁判所[平成15(ワ)12075]

原告は,無断で複製ないし翻案したときは使用料の3倍の金額をペナルティ料として請求しており,これに倣って損害賠償額が算定されるべきであると主張する。しかし,我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は,被害者に生じた現実の不利益を塡補して,不法行為がなかった時の状態に回復させることを目的とするものであり,加害者に対する制裁や,将来における同様の行為の抑止を目的とするものではない。著作権侵害については,使用料相当額の賠償によって,被害者が被った不利益を塡補し,不法行為がなかったときの状態に回復させることができるから,それを超える金額の賠償は認められないのであって,原告の上記主張は採用することができない。
平成27年2月25日東京地方裁判所[平成25(ワ)15362]≫


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