WWLM フィリピン人との国際結婚に関する基礎知識
本文へジャンプ 2006年2月16日 
フィリピン人との国際結婚に関する基礎知識
 日本において、日本人同士が結婚する場合と異なり、日本人が外国の方と婚姻する「国際結婚」では、日本法(民法・戸籍法など)だけでなく、相手の方の国の法律もかかわってきます。そのため、日本において国際結婚が適法有効と認められるためには、婚姻当事者双方の本国法が要求する婚姻要件や、本国法又は結婚式が行われる国の法律が定める婚姻手続を満たしていなければなりません(法例13条)。
 ここでは、フィリピンにおいて、日本人とフィリピン人とが適法に婚姻するための手続きについて解説します。
 なお、フィリピン家族法では、婚姻とは、「男子と女子が法に従い夫婦及び家族としての生活を設立するための永久的な結合の特別の契約である」と定めています(同法1条)。

 【適法な婚姻手続の流れ】

 @ 日本人の「婚姻要件具備証明書」の取得
     

 A 「婚姻許可証」の取得
     

 B 結婚式の挙行
     

 C 「婚姻証明書」の取得
     

 D 日本法に基づく「婚姻の届出」

 【各手続の概要】

 @ 日本人の「婚姻要件具備証明書」(Certificate of Legal Capacity to Contract Marriage)の取得

 Aで解説します「婚姻許可証」を取得するためには、(フィリピン共和国から見て)外国人である日本人当事者は、在マニラ日本国総領事館の発行する「婚姻要件具備証明書」(以下、単に「具備証明書」といいます。)の提出を求められます(フィリピン家族法21条)。従って、適法な婚姻手続は、まず、日本人当事者が在マニラ日本国総領事館においてこの「具備証明書」発行の申請をすることから始まります。
 「具備証明書」の申請は、婚姻される日本人当事者本人がマニラ総領事館に自ら出向いて、備え付けの申請書に必要事項を記載した上で、次のような添付書類とともに提出して行います。

 <添付書類>
 戸籍謄(抄)本。
  過去に婚姻歴がある方の場合には、前配偶者との離婚又は死別を証明する書類として改製原戸籍、除籍謄本、離婚証明書の提出も求められます。過去の婚姻歴の有無及びその内容を確認できない場合には、在マニラ総領事館として「具備証明書」を発行しない取扱いをしているようですので、この点は特に注意が必要です。
 相手方フィリピン人の出生証明書。
  これを入手できない場合には、有効な旅券、出生記録不存在証明書又は洗礼証明書。
 日本人当事者の旅券(パスポート)。
 日本人当事者が未成年者の場合には、両親などの法定代理人による婚姻同意書。

 A 「婚姻許可証」(Marriage License)の取得

 フィリピン家族法では、原則として「有効な婚姻許可証があること」を、婚姻が有効に成立するための要件(形式的要件)として定めています(同法3条)。この「婚姻許可証」は、所定の事項を明らかにした(婚姻歴がある場合は、「いつ、どこで、どのように婚姻が解消したか」も明らかにする必要があります。)許可証申請書を提出して、フィリピン人のお相手が居住する自治体の登録所で発行されます(同法9条・11条)。上記@で取得した具備証明書を持って、フィアンセイが居住している自治体(6ヶ月以上継続して居住しているか又は居住していた直近の住所地の市町村役場)に、当事者双方が出向いて申請することになります。
(注)具備証明書の有効期間はおおむね3ヶ月程度ですが、各自治体によってその取扱いが異なっているようです。事前に各市町村役場に問い合わせておいた方が良いでしょう。また、申請に際して必要となる添付書類等についても事前に問い合わせておいた方が無難です。さらに、婚姻のためのセミナーの受講を婚姻許可証の発行の条件としている自治体もあります。

 婚姻許可証の申請があった場合、登録所は、申請人の氏名・住所・その他の事項を10日間公示し、人々に対し、婚姻障害について知るところがないかどうか掲示します。そして、この公示掲示期間の満了後、特に問題がなければ婚姻許可証が発行されます(同法17条)。
 以上のようにして発行された婚姻許可証は、その発行の日付から120間、フィリピン全土で有効です(同法20条)。なお、婚姻当事者がこの期間に婚姻しない場合には、期間満了により、その婚姻許可証は自動的に失効することになります。

 B 結婚式の挙行

 フィリピン家族法では、婚姻が「権限のある官吏により行われること」及び「婚姻当事者が官吏の面前に出頭し、互いを夫とし妻とすることを成年の2名以上の証人の前で宣誓すること」を要件(形式的要件)とし(同法3条)、さらに「婚姻を執り行う官吏の面前での、自由意思に基づく合意」を婚姻の基本的要件としています(同法2条)。
 この、婚姻を挙行できる官吏には、その地区を管轄する裁判所の裁判官、婚姻当事者の少なくとも一方が属する宗教の教会等から書面により権限を与えられている、一般登録所に登録されている牧師等がいます(同法7条)。また、婚姻を挙行する場所(裁判所、教会・寺院等)も法定されています(同法8条)。

 C 「婚姻証明書」(Marriage Certificate)の取得

 権限ある官吏の面前で婚姻の儀式が行われると、互いを夫とし妻とすることの宣誓は、婚姻当事者及び証人が署名し、当該官吏が認証した証明書(「婚姻証明書」)に記載されます(フィリピン家族法6条)。そして、婚姻を挙行した官吏は、婚姻証明書の原本を婚姻当事者に与えるとともに、その副本2通を婚姻後15日以内に婚姻を行った地の登録所に送付することになります(同法23条)。これにより、日本法に基づく「婚姻の届出」や査証(ビザ)申請の際に必要となる婚姻証明書の謄本を入手することが可能になります。

 D 日本法に基づく「婚姻の届出」

 フィリピンでの適法な婚姻手続が完了しましたら、次に、日本法に基づいて、日本人当事者の本籍地等の市区町村役場に婚姻の届出をする必要があります(民法739条、戸籍法74条・25条)。この届出をしないと日本の戸籍に婚姻の事実が記載されず、その事実を公的に証明することができないため、後にフィリピン人配偶者等を日本に呼び寄せる際のビザの申請や在留資格認定証明書の申請に支障が生じます。なお、この届出は、現地から本籍地に郵送して提出することも可能です。また、婚姻の届出は、マニラ総領事館に、婚姻証明書の作成後3ヶ月以内に提出することも可能です(戸籍法41条)。


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