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>> 契約用語解説 >> 買戻し

買戻し

 民法上の「買戻し」とは、不動産を目的とした売買契約と同時に売主がその解除権を留保する特約をいいます(民法579条参照)。この買戻しの特約をすることによって、不動産の売主は買戻権を取得し、その行使により、売買契約を一方的に解除して、その売買契約の目的となった不動産を取り戻すことができます。
 以上のような買戻しの特約のついた売買契約は、専ら債権担保の目的のために利用されます。すなわち、買戻しでは、例えば、乙が甲から100万円を借りる場合について、乙が所有するある不動産(土地)を甲に100万円で売却し(金を借り)、5年後に、乙が甲に100万円(+契約の費用)を返還して(借金を返して)、当該売買契約を解除できるという構成をとりますので、乙の不動産についての「売買(の形式)」が甲の乙に対する100万円の債権を実質的に担保することになります。

 債権を担保するやり方として、権利の移転を利用する方法がありますが、この権利移転を伴うやり方のうちで、「売買の形式を借用するやり方」があります。広く「買戻し」という場合、この金融担保の一手段をさします(これを「売渡担保」と呼ぶ場合もあります)。
 「買戻し」(広義)とは、売主が一度売ったもの(目的物)を、その売主がしかるべき代価を買主に支払って再び取り戻すことをいいます。この場合、売買契約の際に(それと同時に)、売主が将来の一定期間内に当該売買契約を「解除」して、当該目的物を取り戻すことができるという特約をつけておくやり方(これを「解除権留保売買」といいます。)と、通常の売買契約を締結したうえで、売主が将来の一定期間内に買主から当該目的物を買い戻すことができるという「予約」をつけておくやり方(これを「再売買の予約」といいます)などの方法が考えられます。
 民法は、上述のように、「不動産」についての一定の要件を備えた「解除権留保売買」を特に「買戻し」(狭義)と称し、これについて数か条の規定を設けています(同法579条〜585条)。ただ、実務上、民法上の「買戻し」の制度は、その要件が厳格で、運用が硬直的であることから、大いに利用されているとは言い難いようです。
 なお、「動産」についての買戻しについて民法は何ら規定を設けていませんが、これは、動産の買戻しを禁止する趣旨ではなく、動産についての買戻しの特約を設けることも当事者間では有効であると解されます。