栃尾の奇祭ほだれ祭り Tochio's Bizarre Hodare Festival 長岡市
☆ 栃尾の奇祭ほだれ祭り(長岡市栃尾) ☆ほだれとは「穂垂れ」つまり稲や粟がたわわに実り、穂先が垂れる形に由来する言葉で 、農耕の実りを表します。道祖神のひとつである男根形の道祖神のほだれ様は五穀豊穣 と「子宝」「安産」を守る神様として、古くから信仰されてきた。新潟県のほぼ中央に位置する栃尾市。その市街からほぼ南へ7kmほどいった下来伝地区 には、日本一の大きさを誇る「ほだれ様」が祀られており、毎年3月の第2日曜日には地 区をあげて、高さ2.2m、重さ約600kgの巨大な男根形の御神体のご利益にあやかろうと する奇祭「ほだれ祭」が催される。 午前11時、ほだれ様の横にそびえ大杉(樹齢800)に、200kgのしめ縄が奉納されるとスタートで。大数珠くり、お神酒鏡開き、初嫁厄払い、五穀豊穣などの神事がおこなわれる。クライマックスは、御神体の御移行。御神体は年一回このと き若者達により祠から外に出され、栃尾に嫁いできた初嫁がこれにまたがり、これを村の男衆が神輿のように担いで村内を練り歩く。「縁結び」「子宝」「安産」「 子の穏やかな成長」「五穀豊穣」「商売繁盛」「無病息災家内安全」など、さまざまな 願をかけ、ほだれ様のご利益にあやかろうと見物客は手を伸ばす。 祭りの原形は、すでに江戸時代の前からあったといわれている。当時御神体は石でで きた陽根型のもので、祭りの日には御神体前の広場に村中のものが集まり、若い衆の法螺貝や太鼓にあわせて大数珠をくり、村中を巡ったという。数珠くりを休むと災いが起こるといわれていた。 ☆ 栃尾の道祖神 ☆「石仏の里・栃尾」の代表格がこの道祖神である。「道祖神」は、普通「さいの神・道 楽神・耳の神」などとも呼ばれ、「村はずれや辻」「山道や峠」等、村人たちの意識上の 「境」に多く建てられてきていたもの。昔、祖先たちは大きな災害や疫病等は、悪霊・邪神が隣村からもってくるなどと考えていた。 そこでそれらの侵入を防いだり道の安全を守る為、「境(さかい)」に該当する場所に祀った。道祖神には、「自然石」「丸石」「裸石(男根女陰)」「文字塔」「石・木祠」や、「単体・双体神像」などが見られる。 県下には約四百体ほどあるといわれている中で、栃尾はその三分の一に近い百二十余体が、42ヶ所に分布している。その特徴は、一箇所に多くまとまっていることで、 たとえば下来伝では24、二日町17、楡原9などであり、像容は並立型で、男性が盃,女性が徳利を持つ祝言の仲人姿が多くある。 一つの石に男女2体のからだが浮き彫りされた像で、「きんかんさま」、「さいのかんさま」、「ほだれさま」などと呼ばれている。 大きさは45センチ(1尺3寸)から21センチ(7寸)といった比較的小型のもの。備え物には直径10センチほどの穴のあいたドーナツ型の石が主で、造立場所は木の股の下や道の分岐点、村の出入り口など。 しかし、中には仲むつまじく抱擁しているものや口付けをしているもの、また本県唯一 の彩色されたものもある。この外、道祖神には男根や女陰に似た形のものや文字塔 、窓が前後にある石祠などがある。 なぜこのように多種多様の道祖神や石仏が当地に多いのかは不明ながら、かつての庶民生活と宗教とのかかわりを暗示してくれる貴重な異物となっている。 ほだれ大神 ![]() ![]() ☆栃尾のその他の奇祭☆珍棒地蔵祭り(ちょんぼじぞうまつり)上樫出地区の音子神社の境内で、巨大な男根を持った地蔵を泥でつくり、「子孫繁栄」「五穀豊穣」を祈るお祭り。毎年8月の第4日曜日に行われる。 |
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