十日町市博物館 Tokamachi-shi museum 十日町市



"文部省推薦の「全国の特色ある博物館」です。 十日町地方の特性を生かし、「雪と織物と信濃川」がテーマです。
十日町地方の歴史、テーマ展示のほか、1つの国宝と2つの重要文化財を収蔵展示しています。"
✣2020年6月1日、新しい建物に生まれ変わってオープンした。新博物館は、鉄筋コンクリート2階建て延べ約3110平方メートル。2017年8月に着工し、総工費は約24億円。同館は国宝指定の土器など928点のほか、地域で盛んな織物業関連の史料や雪国の生活用品など約7千点を収蔵する。


❏〔所在地〕新潟県十日町市寅甲西本1
❏〔連絡先〕 025-757-5531
❏〔アクセス〕
  • 🚅…JR飯山線、ほくほく線十日町駅(西口)徒歩10分
  • 🚘…関越自動車道六日町I.C.から25分
    駐車場 30台
❏〔開館時間〕 午前9時~午後5時
❏〔休館日〕 月曜日・祝日の翌日
❏〔入館料〕 一般:一般600円円 (2024年現在)
❏〔特徴〕
  • ■展示品■ "笹山遺跡出土品、縄文村、農村の民家の復元
    所蔵の重文と国宝/越後縮の紡織用具及び関連資料(2098点)十日町の積雪期用具(3868点)国宝・深鉢形土器群ほか 笹山遺跡出土品(火焔形土器など928点)"
❏〔設立〕 昭和54年
❏〔周辺の観光施設〕
❏〔交通情報〕
❏〔HP〕 http://www.tokamachi-museum.jp/
❏〔十日町市博物館を紹介しているサイト〕





越後縮の紡織用具および関連資料

十日町博物館には原料の栽培方法から撚糸、機織り、仕上げと、縮織の全工程を展示した一角がある。昭和61年(1986)国の重要文化財に指定された「越後縮の紡織用具および関連資料」は2098点にもなる。
縮は布に細かいしわ(しぼ)をつけたもので、肌につきにくいことから夏物生地として使われた。
原料のカラムシは、寒冷な十地を好むので、魚沼地方は生育に適していた。冬の雪は、繊維や糸を白く、しなやかにする晒にはなくてはならないものである。通常、一反の布を織りあげるには、一年がかりだったという。雪に埋もれた長い冬、農家の女性は家事の合間を縫って縮織に精を出した。妻有の女性の忍耐強さがあったからこそ、この地が縮の名産地となることができたともいえる。
江戸時代中頃には十日町の民家の8割が織っていた越後縮も幕末になると、絹織物に取って代わられ、急速に衰退した。機道具は昭和25年代後半から始まる住宅の新築、改築で、捨て去られるようになった。
縮関連の収集が本格的に始まったのは、昭和54年(1979)の十日町市博物館の開館準備段階に入ってからである。

十日町の積雪期用具

豪雪地帯として知られる十日町市周辺の人々は、雪と戦い、雪を受けいれ、雪に生かされ暮らしてきた。
人々は早朝、「道踏み」と呼ばれた作業を行い、ムラの一日が始まった。特別な大雪が降った日などは、玄関先から道を覆った雪を1m以上もの長さの特大カンジキのゴカリやスカリをはいて、踏み固め、"公共"の雪道をつくった。
スッポンは雪の深い時に使う長靴型のもの。ワラグツは浅い雪の時や近所に出歩く時にはくスリッパ型。スッペは雪中用短靴。
地域によって作り方も微妙に異なるが、わらは軽量で保温性があり、農家であれば、入手も簡単な素材だった。
市中心部から車で20分ほど山あいに入った20戸ほどの集落・赤倉地区。住民がスッポンやゾウリなどをなどを慣れた手つきで編んでいる。お土産用として町場に売り出されるものだ。急速に姿を消した雪国の民具だが、今では家のインテリアとして愛好され、伝統の技を後世に伝えている。
十日町博物館の資料は、町場をはじめ、周辺の信濃川沿いの村々や山手の村々を含めた十日町市全域から、約20年かけて広く収集されたものである。その数は、実に3868点。平成3年(1991)、国の重要有形民俗文化財に指定されている。


新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器

平成11年(1995)6月に、県内初の国宝に指定された十日町市の笹山遺跡出土深鉢土器は57点。この中には、火炎土器14点、王冠型土器6点が含まれている(ほかに石器などの出土品871点も併せて国宝指定)。縄文土器が国宝に指定されたのは、全国でも初めてだという。国宝とは、重要文化財のなかでも「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」と認められたものが指定される。
笹山遺跡から出土した土器は量的にも多く、美術工芸的にも完成度が高く、極めて保存状態が良いという。火炎土器は祭りのときなどに使われたらしく、笹山には火炎土器の工場があったも考えられるという。






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  • 作者:菅家博昭
  • 出版社:農山漁村文化協会
  • 発売日: 2018年06月29日頃