海谷渓谷 Umitani Valley 糸魚川市
@糸魚川市観光協会 300メートルから500メートルにも達する巨大な岩壁がスリリングな景観をつくり出している。 この岩壁は新新第三紀末期にフォッサマグナの海底で活動した火山から噴出した溶岩や凝灰角礫岩からできている。 岩壁をよく見るとそれらの岩石が層状に重なっているのがわかる。この凝灰角礫岩は造園用としても人気があり、谷根(たんね)石と呼ばれている。 周囲の阿弥陀山国有林の木々とのコントラストなど、ありのままの自然の渓谷美が楽しめ、ハイカーに人気がある。 上流域ならびに源流部には、駒ヶ岳(1487m)鬼ヶ面岳(1562m)鋸山(1631m)鉢山(1575m)昼闇山(1840m)裏金山(2111m)焼山(2400m)などの高山が渓谷を圧する様にそそり立っている。三峡パークからは千丈ヶ岳の大岩壁が目の前に迫る。 上流部における渓谷底は平坦面を多く作り、河川勾配は、きわめてゆるい。これに反し、中・下流部は、河川の勾配もきわめて急になっている。 「越後の上高地」と呼ばれる海谷渓谷で、特に谷間が黄・紅葉に彩られる秋がよい。(案内図) 海谷山地糸魚川の海川上流にある山地で、海川右岸の東海谷山地(烏帽子岳1450m、阿弥陀山1511m、鉢山1575m)と左岸の西海谷山地(駒ヶ岳1487m、鬼ヶ面山1591m、鋸山1631m)とからなる。標高はほぼ1500m前後で高くないが、新第三世紀(2,303万年前~258万年前)の安山岩が川の浸食や豪雪による蝕害をうけ、高い岸壁や滝、深い谷、鋸歯状の稜線などけわしい山岳地形を示している。 海川は、この山地の中ほどが厚い堆積物によって埋め立てられて、幅広く平坦な盆地を形成し、ここが昔「うみ」と呼ばれたのが海谷の名の由来である。
≪現地案内看板から≫
**パンフレット** <大地の物語> 海谷渓谷一帯は、約350万年前にフォッサマグンナの海で起きた海底火山の活動によってできた安山岩質の火山角礫岩、凝灰角礫岩、溶岩、貫入岩などからできています。展望台の正面に見える崖は、海川の侵食により海底火山の断面が露出したもので、「千丈の大岩壁」と呼ばれ、高さは600mに達します。右岸には千丈ヶ岳(1,203m)、鉢山(1,575m)、阿弥陀山(1,511m)、左岸には駒ケ岳(1,487m)、鬼ヶ面山(1,591m)、鋸岳(1,631m)が連なります。初夏の新緑、盛夏の深緑、秋の紅葉と季節ごとに姿を変える美しい渓谷は、観光客・登山者の目を楽しませ、駒ヶ岳の山開き(6月上旬)、春の海谷祭り(6月上旬)、秋の海谷祭り(10月下旬)が開催されます。 海谷高知(732高地)は、1597(慶長2)年に海川右岸(千丈ヶ岳の南~南東の斜面、地図中の緑の曲線)が大規模な山崩れをおこし海川をせき止め、土砂が堆積してできた広い河原です。山崩れの痕跡は、弧状にえぐれた崖とゆるやかな斜面(崩積土:緑の破線の範囲)として残っています。この時できたせき止め湖は上流3kmにまでおよび、「海」と呼ばれました。 雲台寺は奈良時代末の建立とされる天台宗の寺で、江戸時代初期に奉納された絵馬は糸魚川市の文化財に指定されています。 海谷渓谷ジオサイトの大部分は、白馬山麓県立自然公園に指定され保護されています。 |