浅草岳 Mt. Asakusadake 魚沼市



浅草岳は、越後山脈に位置し、新潟県魚沼市、福島県南会津郡只見町にまたがる第四紀火山である。標高1,585.5m、一等三角点の山である。越後三山只見国定公園に属する。
また山頂を境に東の福島県側は険しい絶壁、西の新潟県側はなだらかな草原状となっていて、主に潅木鯛に覆われるが、頂上付近には草原が開けて、池塘が散在する。
コバイケソウモウセンゴケシロシャクナゲミズバショウといった湿原・高原植物も豊富で、初夏から秋にかけて美しく咲き競い、登山者の目を楽しませてくれる。初夏の7月初旬には稜線の登山道を取り囲むようにヒメサユリの群生が見頃を迎え、浅草岳は「ヒメサユリの山」として知られる。また秋には、秋になると鮮やかな草紅葉が楽しめる。

頂上からは、東方眼下にコバルトブルーの水面を横たえる田子倉湖と只見沢へ落ち込む鬼ヶ面山東面の断崖に目を奪われよう。その向こうに磐梯山、北に飯豊連邦、西には新潟平野や天候に目具まれれば佐渡の島影を眺めることができる。また頂上には、昭和32年(1957)分神された八海山大明神の石祠がまつられた。

登山口は、五味沢のムジナ沢コース、ネズモチ平コース、ムジナ沢コースが合流する桜ゾネコース、鬼が面山を経由する六十里越トンネルコース、只見尾根コース、入叶津コースとある。
昔の登山コースは、五味沢に近いムジナ沢を4時間以上の時間をかけて登降したが、今は林道を車で、破間川の白崩沢を迂回し、ネズモチ沢登山口に至る。この先林道へは車の進入ができない。ここからネズモ平(ブナゾネ)旧登山口まで行けば、尾根道を2時間で頂上に立てる。登山時間が短いことから、ネズモ平からの登山者が増えている。
また福島県側には、田子倉湖から剣ヶ峰経由と、入叶津からの沼ノ平コースがある。各コースの距離に長短があり、勾配も各様であるから力量に応じて挑戦するといい。(案内図)

🔶ムジナ沢登山口(旧登山口経由) (4時間20分)
山の神トンネルを抜けて破間川ダムに架かる浅草大橋を渡ると、左側に広い駐車場がある。トイレの設備もある。ムジナ沢登山口からの入山者はここに車を置き、ムジナ沢に架かる橋の手前から右側に下りて旧の橋を渡った右岸から登山道が始まる。途中、旧登山口(桜ソネ尾根)を経由する。コースは長いが、雑木の中をゆっくりと歩ける登山道である。時間と体力に余裕のある時は利用してみたいコースである。
ヤジマナ沢で沢水を補給して、飛び石を利用して渡る。足元にはヒメサユリミヤマカタバミチゴユリツクバネソウエンレイソウイワカガミなどの花々の群落が目を楽しませてくれる。ピーク812まで急登が続き、登りが緩くなると、浅草林道に出る。桜曽根コースの旧登山口である。

🔶ネズモチ沢登山口(2時間10分)
橅曽根の登山口には水場がある。登り始めるとジュウイチクロツグミの声が聞こえる。沢を渡るとブナの森が広がりクロジマミジロのコーラスが響く。
両側の雑木の中を進む。途中ロープが設置されている箇所もある。中腹まで登るとマミジロに混じりコルリウグイスヒガラが姿を見せる。展望が悪く急登となるが、緩くなってきたら、桜ゾネコース、鬼が面山コースとの合流点「前岳」に着く。
前岳からは木道を辿って歩くが、両側に花の種類が多く咲き乱れる。最後はわずかな登りで浅草岳のピークになる。祠があり一等三角点がある。メボソムシクイウソビンズイ、といった鳥が迎えてくれる。田子倉ダムからと入叶津から天狗の庭 ※GOOGLE 画像を通ってのコースが山頂で合流する。

🔶ネズモチ沢登山口~桜ソネ尾根(旧登山口経由)(3時間10分)
県立浅草山麓エコミュージアムの施設が現れ、その先に大きなネズモチ平駐車場がある。林道は桜ソネの旧登山口まで続いているが、車止めが置かれ、林道を40分歩くこととなる。旧登山口は十字路になっていて、右に下れば五味沢に至り、浅草岳へは左の階段を上がって桜ソネ尾根を登っていく。
急登になり、展望の良いところに出るとそこが三等三角点のある嘉平与ノボッチ ※GOOGLE 画像である。
ミツバオウレンキクバオウレンイワナシシラネアオイツバメオモトなどが咲き競って、稜線の雪ぎえの際にはカタクリが、秋にはエゾリンドウの濃紫の花が咲き乱れる。
ここからは浅草岳山頂は前岳に隠れて見えない。岩峰の急登をの後、草原状の稜線を行くと前岳ノ肩に着く。ここで鬼ヶ面山からの縦走路コースと、ブナソネからのコースの登山道と合流する。
前岳の北面を回り込むように木道が敷かれ、山頂直下まで続く。湿原の中に池塘もあり、ニッコウキスゲやヒメサユリが多い。木道が終わり、木道を歩いて10分、ひと登りで浅草岳山頂に出る。

浅草岳殉職者慰霊碑
平成12年(2000)6月18日に発生した浅草岳ブロック雪崩災害により殉職した小出警察署警部補・佐野弘晃さん、同・大平義則さん、小出郷消防署消防司令長・磯部三郎さん、小出地区山岳遭難防止対策協議会副会長で音松荘主人の浅井乙一さんの4人の受難碑。この雪崩ではほかに5名が重軽傷を負っている。
6月17日に浅草岳で行方不明となっていた登山者の遺体収容作業中であった。






















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