刈羽黒姫山 Kariwa Kurohimeyama 柏崎市
黒姫山は柏崎市黒姫と高柳町との境界にあり、標高890mの山である。黒姫山の一帯はもともと海底で、砂や泥が積もって厚い地層を作り、およそ400万年前から海底火山の活動が始まった。 北東から南西にのびる山稜の中腹は標高500mを境として、それより上は急斜面となる。それは七谷層、椎谷層、西山層からなるドーム構造と一致する。長岡方面から眺めると正三角形に見えることから「刈羽富士」とも呼ばれている。 伝説によると黒姫さんは女性の神様で、その名前を「 米山、八石山とともに刈羽三山に数えられる信仰と修験の山で、夏の水枯れに苦しむ農民たちの間で雨乞いの山として崇められてきた。 昔、神様が船でこの山へ来て、岩屋の中で毎日機を織っていたといわれる。黒姫山にはその時の「七池七岩屋」があると伝えられている。船をつないだといわれる場所に、帆柱が数丈の立石と化して残っていて、人々はこれを「帆柱石」と呼んでいる。 ある時、神様が山の下の部落へ降り、住民に機を織る技術を教えたという。それから部落では機織に精を出し麦を作らなくなったという。今も山の下の二十ヵ部落は麦を作らないといわれる。 山頂手前には機織の神を祭った鵜川神社と33体もの石仏がひっそりとたたずんでいる。女人禁制ではなく、十日町、栃尾などの女性たちが機織の熟達を願って登頂したという。現在も織物関係の参詣者が訪れる。 中腹には美しいブナ林が広がっており、春の芽吹き、夏の若葉と緑の空間の中を歩くことができる。二頭三角点のある山頂には1坪くらいの避難小屋と電波中継所があり、遠く魚沼連山や妙高山が望める。 また秋には山全体が紅葉に彩られる。柏崎市民には手軽なハイキング登山を楽しめる山として人気がある。春にはオオバキスミレの群落、初夏にはエゾアジサイやクサアジサイ、コシジシモツケソウなどがコースを彩る。 (案内図) 🔶磯之辺コース(所要時間60分)車道駐車場に車を止め坂を上がると、トイレ、水場と黒姫キャンプ場があり、黒姫キャンプ場登山口となっている。春にはオオバキスミレの群落、初夏にはエゾアジサイやクサアジサイ、コシジシモツケソウなどが彩るコースである。ホトトギス、サンショウクイの声が辺りに響いている。二人並んで歩けるほどの広さをもつところもある並木道を進んで行くと「鬼殺しの清水」に着く。チョロチョロとしか出ていないが、冷たくておいしい水だ。20分ほどで一帯がアカメイタヤカエデの群落に入る。秋の黄葉は見事だ。途中幾重にも曲りくねった登りの道では、ノジコやウグイスの声が気持ちよい。高柳町はノジコの多い土地柄という。ここを抜けブナの原生林に変わり急な木道の階段を登ると、登山口から55分、鵜川神社境内と三十三観音の石仏が安置されている広場に出る。神社裏に清水谷と白倉にいたる道がある。緩やかな道5分ほど登ると黒姫山山頂だ。避難小屋と石灯籠、石祠、二等三角点などがある。付近のブナ林から澄んだヒガラの声、アカゲラのドラミングが聞こえる。また二人掛けのベンチがあり、ゆっくりと越後三山をはじめとする県境の山々の展望を満喫できる。🔶清水谷コース(所要時間90分)15台ほど駐車できる広場のある清水谷登山口から登り始める。春から初夏にかけては、カタクリの群生やショウジョウバカマ、キクザキイチリンソウなどが林床を鮮やかに彩っている。鬱蒼としたブナ林の中を進むこと50分、白倉コースとの合流点に到着する。ここからさらに40分ほど進むと、山頂手前の鵜川神社のお堂に到着する。刈羽黒姫山のブナ林ブナ林は稜線から北西斜面の海抜500m以上の所に100haほど残存している。樹高20mほどで樹冠がよく発達している。他に高木がないため林内は見通しが良い。山頂付近のブナ林には古木も多く、分解者である菌類や昆虫の資源となっている。多数発生する昆虫を餌として鳥類が多く生息する。山麓のノジコやブッポウソウ 、ゴジュウカラ、イヌワシも黒姫山の常連である。
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Kurohime is dotted with beautiful beech forests,and Ukawa Shrine,dedicated to the god of weaving,stands at the summit. Kurohime is popular as an easy hiking mountain from Kashiwazaki. |
黒姫キャンプ場登山口 黒姫キャンプ場入口 白倉登山口 清水谷登山口 別俣登山口 刈羽黒姫山 折居登山口